アイ・エム・ジェイ(以下、IMJ)は、定性調査・デザインリサーチのための手法「感情曲線インタビュー」を用い、デジタルハリウッド大学と共に若者が「休みの日にしている行動」について調査を実施した。その結果、若者は「表情の見えない相手への不安を紛らわすために、相手からの返信などのアクションがない中でも、スマホを無意識に触ってしまう傾向が高い」ことがわかった。
「感情曲線インタビュー」は、定性調査の「デプスインタビュー」をベースに「感情」「時間の流れ」の軸を加え、特殊なフォーマット上への記録を行うことにより、無意識に回答していない意識・記憶も取得可能にする、IMJ独自の手法。
今回の調査では、「友人がスマホケースを買いたいと言ったから、とりあえずついて行った」「興味はないが友人から先輩のガレージへ行かないかと誘われて行くことにした」「付き合わされても見返りを求めていってみようかと思う」など、直接的に興味がないことでも、相手に好かれたいという思いや何かしらの見返りを求めて、他者との関係をよい状態で保とうとすることが習慣化されていることがわかった。
また、「授業中や話し途中などの場所や時を構わずに、通知がくると無意識にスマホを起動してしまう」「朝起きるとすぐにLINEの通知を確認するのが日課となっている」「時間があると通知がきていなくてもたびたびスマホを無意識に開いて確認していた」など、よい状態を保つことが習慣的になっていることから、相手の表情が見えないことに対する不安から紛らわすために、無意識にスマホを使用する頻度が多くなる様子が見られた。
ここから、IMJは「若者がスマートフォンを使用する頻度が高いからといって、すべてのシーンにおいて注意が向いているわけではない」と結論づけるとともに、「企業主体のメッセージではなく、友人・知人との関係性の中で伝達されるソーシャル上のプロモーションが、若者にとってはより効果が高い」と類推している。
【調査概要】
調査方法:感情曲線インタビュー
調査対象:19~35歳の男女10名(デジタルハリウッド大学企業ゼミ生)
調査期間:2016年7月6日~7月20日
調査担当:株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室