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MarkeZine Day 2017 Spring レポート(AD)

2017年度、ブランディングに求められるのは「回帰と変革」 antenna*が示す5つの新潮流

媒体の先にいる人をしっかり把握

 4つ目は「Relevancy 再認識とエンゲージメント」。関係性の深さといった意味合いで使われるRelevancyは、近年注目されている概念の1つ。ただ多数の人にリーチすればいいといった発想は、既に過去のものだ。関係を深く築くことを重視して、つながりを作ることが求められている。

株式会社グライダーアソシエイツ 取締役副社長 荒川徹氏

 では、具体的にはどう動けばいいのだろうか。荒川氏は「まず媒体の特長を改めて理解することが必要」だと語る。マスやWeb、SNSなどメディアと呼ばれるものが多数存在する中で、活用するメディアを見極めるには、各媒体の先にどういう人がいるのかをしっかり把握することが欠かせない。

長期的なブランディングでも個別のプロジェクトでも、自社のメッセージを最大限に拡張してくれるメディアを選ぶ視点がますます大事になると思います」(荒川氏)

 また、荒川氏は「企業は改めてプロジェクトごとの目的を明確にする必要がある」と語る。単にPV増加や顧客獲得を目指すのか、それともブランド好感度の向上や長期の顧客育成を目指すのか。そのバランスを考えながら、媒体の使い分けや予算配分を検討することがさらに重要になる。

移り変わるメディアやデバイスの融合に注目

 5つ目は「Trans-Fusion」。メディアやデバイス、ソフトウェアがTrans――変容し、Fusion――融合していく動きを表している。

 流行し、定着したと思われるものも、テクノロジーの発展やニーズの変化によって形を変えていく。たとえば、スマートフォンが浸透してそれぞれ多様な機能を備えたアプリが多数登場したが、「最近ではあまり新しいものをダウンロードしなくなったのではないでしょうか。メインで使っているのは5つほどで、1ヵ月に使うアプリも限られているという人が多いと思います」と荒川氏。

 アプリに替わる機能を担うものとして、hearableなどは最たるものだ。たとえばソニーモバイルコミュニケーションズが手掛ける「Xperia Ear」は、耳に装着して音声認識で様々な会話、コミュニケーションを行う。常にスマートフォンを開くことはなく、音声の会話のやりとりの中で、補助的にスマホを見る。「静止画、テキストコンテンツに音声データを加えると、こういった新たな時代ではまた異なった文脈をもたらしてくれるかもしれません。

 時代に応じて、適切なコンテンツの届け方も変化する。ブラジルの航空会社がプロモーションに活用した、個人によって掲載されているコンテンツが違う“パーソナル機内誌”は、予約時にFacebookでログインすることで好みを踏まえて準備することを可能にした。アナログな機内誌にパーソナルデータを融合させた、新しい取り組みだ。

「今後、国内の航空会社においても、そうした”回帰と変革”で、様々なソリューションが生活者に提案されてくるでしょう」(荒川氏)

 最後に荒川氏は、改めて全体を集約するキーワード「回帰と変革」を提示し、展望を語った。

これだけコンテンツもメディアもたくさんある中で、何かひとつ切り口を変えれば、何かと化学反応を起こすことで、一歩先を行く変革を起こすことができるのではと考えています。業界の異なるプレイヤー同士の連携、広告主とメディア、ユーザーそれぞれのコミュニケーションの変化、ブランディングの在り方の変化にますます注目すべきですし楽しみですね」(荒川氏)

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/04/05 09:00 https://markezine.jp/article/detail/26223

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