セールスフォース・ドットコムは、チャネルセールスのための新しい営業支援アプリ「Sales Cloud Partner Relationship Management(以下、Sales Cloud PRM)」を発表した。ユーザー企業のチャネルマネージャーは本アプリを活用することで、販売代理店などのパートナー企業に対して、Salesforceのツールを活用させ、営業活動に必要な情報を共有できるようになる。
今回のアプリリリースにともない、Sales Cloudの新機能が4つ公開される。
(1)新しくなった設定ウィザード
新しい設定ウィザードを活用することで、チャネルマネージャーは数日間でSales Cloud PRMの導入を完了できる。見込み客情報のパートナーへの配布から案件登録、マーケティング開発資金の指定、さらにAppExchangeコンポーネントの設定までがスムーズに行えるようになった。パートナーを自動的に階層分けし、それぞれのレベルに応じた販促目標やカスタマイズしたコンテンツを提供することも可能。
(2)Lightning CMS Connect
新たに提供されるLightning CMS Connectによって、チャネルマネージャーは既存ウェブサイトのコンテンツやグラフィック、動画をドラッグ&ドロップで使って、パートナーに最新情報を提供できるようになる。この機能により、サイト更新とパートナーへの情報共有のタイムラグを短縮できるようになる。
(3)Einsteinによるコンテンツのリコメンド
機械学習を利用してチャネル担当者の生産性向上に役立つファイルを画面に表示できるようになる。たとえば、パートナーが新製品に関する説明ドキュメントを表示させているタイミングで、ロゴのグラフィックファイルやプロダクト・プレイスメントについてのインストラクション、価格情報などのファイルをリコメンドすることが可能。
(4)チャネルマーケティングオートメーション
Marketing Cloudの機能をすべてのパートナーが利用できるようになり、あらゆるデバイスで顧客一人ひとりに合わせた電子メールキャンペーンの開発、追跡、分析が行えるようになる。企業は、自社のマーケティング部門と同様の権限を持たせることによって、パートナーが適切なメッセージや販促用品を確実に使用できるようになる。
セールスフォース・ドットコムは上記の新機能を既存機能と一体化して提供すると表明。活用例としては、「Salesforce Quote-to-Cashによる見積もりから代金回収までのプロセス短縮」「Salesforce1のモバイルアプリによって外出先からCRMにアクセス」、「Einstein High Velocity Sales Cloudで確度が高いリードを見つけ出し得意先を創出」などが挙げられている。パートナー企業にSalesforceの使い方を習得させるために、ラーニングプラットフォーム「Salesforce Trailhead」を活用させることも可能。
Sales Cloud PRMは既に提供が開始しており、Partner Community Cloudライセンスで月額1ユーザーあたり3,000円で利用できる。ただし日本における一部機能のサポートについては未定。新しくなった設定ウィザード、Einsteinによるコンテンツのリコメンド機能、チャネルマーケティングオートメーションは、今年後半に一般提供を開始する予定。Lightning CMS Connect は2017年6月からベータ版として提供が開始される。
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