アクセンチュアは、世界のCMOおよびCEOを対象に実施した調査結果のレポート「マーケティングの枠を超えて――ハイパーレリバントなCMOの台頭」を発表した。
顧客体験を起点に組織変革を主導しているCMOは全体の17%
調査対象となったCEOの31%が、CMOに対して「顧客データやそこから得られる洞察を活用して新しい製品やサービス、体験を生み出し、企業の成長を促すことを期待している」と回答した。
また、CMOの17%が顧客体験を起点にした組織変革を主導していることが判明。こうした先進的なCMOは、優れた顧客体験を実現するための組織間コラボレーションを促すことで、顧客ニーズに対応できる体制づくりに貢献している。
さらに、先進的な考えを持つCMOは、破壊的成長を促す取り組みにより多くの時間を割く傾向があるほか、自らを「イノベーター」と称し、新興技術を利用して顧客行動の予測と潜在的な収益源の開拓に注力していることもわかった。
なお、先進的なCMOを擁する企業は、一人ひとりの趣味や嗜好に合った顧客体験を最適なタイミングで提供することで、競合他社より11%高い株主利益を創出していた。
76%のCMOが「ブランドへの期待の高まり」を感じている
同調査では、76%のCMOが「ブランドの目標に対する消費者の期待が高まっている」と回答。同様に、70%のCEOが「大きな目標を表明している企業のほうが、より大きな成功を手にする」との考えを示した。
9割のCMOが「今後3年間でマーケの機能は根本的に変わる」と回答
マーケターの役割が変化する中、CEOとCMOの90%が、「今後3年間でマーケティングの機能は根本的に変わるだろう」と答えた。中でも先進的なCMOは、他のCMOに比べて、没入型体験のデザイナーやストーリーテラー、グロースハッカー、フューチャロロジスト(未来学者)といった役割やスキルが成長に必要であると考える割合が高かった。
【調査概要】
調査主体:アクセンチュア
調査対象:12ヵ国(日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、英国、米国)の17の業界において、年商5億ドル以上の企業に所属するCMOとCEO
調査人数:CMO935人およびCEO564人
調査期間:2018年3月~2018年5月
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