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やっぱり、母は強い!4人の娘を育てる女性CMOのマーケ・子育て論

 「マーケターとしてのキャリアアップと子育ては両立できる」。こう断言するのは、2歳から12歳までの4人の娘を育てながら活躍する女性CMOだ。彼女は様々な障壁をいかに乗り越え、事業、子どもたち、そして自分自身の成長につなげてきたのだろうか? 子育てをしながら第一線で働き続けるための心構え、母親になって身に着けた「脱・完璧思考」と「集中力」、経営者としてすべての人の働きやすさを支えるために必要なことを語ってもらった。

「型破りな父がきっかけ」18歳でビジネスを始める

Contentserv Group グローバルプレジデント 兼 CMO Patricia Kastner(パトリシア・カースナー)氏
Contentserv Group グローバルプレジデント 兼 CMO Patricia Kastner(パトリシア・カースナー)氏

――はじめに自己紹介をお願いします。

Kastner:ドイツ発のマーケティングソフトウェア会社Contentserv(コンテントサーブ)のプレジデント兼CMOとして働いています。Contentservは私が20歳の頃、共同創業者とともに立ち上げた会社で、オムニチャネルでの商品情報管理を最適化するソリューションを提供しています。

 同時に、2歳から12歳までの4人の娘を育てる母親でもあります。

――経営者と母親、二つの顔をもっていらっしゃるのですね。まずは経営者としてのキャリアについて、教えていただけますか。

Kastner:ビジネスを始めたのは、18歳の学生の頃でした。私の父もまた起業家で、まったく型にはまらないタイプなのですが、「もう十分、自分自身を養っていくことができる年齢だろう」と、今後は経済的な支援を受けずに生活してみるよう、私に告げたのです。

 大学の学費と家賃を捻出しなければならなかったので、Webサイトの制作を始め、その後小さな代理店を立ち上げました。仕事を始めてみると、Webサイトと紙のカタログをまたいでの情報管理が効率よく行えないということに気づき、その問題意識がContentservの創業につながりました。

――創業後は、主にマーケティングとソリューション開発の領域を統括されてきたそうですね。

Kastner:はい。私の血はマーケティングでできているのではないかと思うほど、マーケティングが大好きです(笑)。

 大切にしているピーター・ドラッカーの言葉を紹介したいのですが、それは「顧客を創出するために、ビジネスが有するたった二つの機能がある。それはマーケティングとイノベーションだ。マーケティングとイノベーションは結果を生み出すが、残りすべては『コスト』である」というものです。

 実際にContentservでも、マーケティングが会社を成長させるエンジンとして機能してくれました。私たちが起業した時代、ドイツではベンチャーキャピタルから資金調達を行うのは一般的ではなく、自らの資金で会社を成長させる必要があったのです。

子どもができたらキャリアは終わり?

――日本のマーケターの中にも、出産後も第一線で働き続け、キャリアアップを目指したいという人が増えていると感じます。Kastnerさんは、なぜそのような決断をされたのでしょうか。

Kastner:私にとって仕事と子育ての両立は、本当にたまたま起こったことでした。私の暮らしているドイツは日本と似て保守的な国なので、当時は「子どもができたらキャリアは終わり」と言われていました。

 結婚し、長女を妊娠したのが29歳の頃だったのですが、ビジネスは既に軌道に乗り始めており、多くのクライアントと中断することのできない仕事をしていました。「一体どうしたらいいのだろう」という気持ちでしたね。

 幸運だったのは、ちょうどクライアントの一人だった製薬会社で働く女性が双子を出産し、6週間後に職場に戻っていたのを見ていたことです。「双子の赤ちゃんを育てている彼女ができているならば、娘一人だけの私が、できないはずがない」と、勇気をもらいました。

 また、私に早くからビジネスにチャレンジするよう勧めた父も、「母親の幸せは、子どもの幸せにつながる」と背中を押してくれました。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32261

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