SMNのグループ会社であるゼータ・ブリッジは、2020年度下半期(2020年10月~2021年3月)の全国地上波25局、BS放送6局にて放送されたテレビCMの放送回数と放送時間を調査し集計した。
2020年度下半期のテレビCM放送回数は前年同期とほぼ変わらない結果に
2020年度下半期のテレビCM放送回数は、12月と3月が前年同期を上回る結果に。また他の月も前年比98%、99%と前年同期とほぼ変わらない結果となった。
2020年度のテレビCM放送時間は、10月、11月、12月、1月、3月が前年同期を上回った。2月は、前年より減少しているが99%と前年と同水準になっている。
また下半期は上半期よりも放送回数・時間ともに増加。要因として放送回数の増加が考えられる。上半期に前年比より減少していたカテゴリーのなかで、下半期では前年比100%超えのカテゴリーが多く見られたためだ。
2020年下半期のテレビCMの世界ではコロナ禍で生まれた日常を反映したクリエイティブを展開することで、上半期のような放送自粛を余儀なくされた状況を打破していると考えられる。たとえば人材派遣会社のテレビCMでは、新しい働き方になっている在宅勤務やオンライン研修をテーマにしたクリエイティブを展開。また家電や日用品のテレビCMは、日々の生活のなかで「見えない菌」に対応するクリエイティブが増加した。
放送回数が増加したカテゴリー1位は「AV機器」
放送回数が増加したカテゴリーは、1位「AV機器」(前年比159.7%)、2位「パソコン」(前年比152.6%)、3位「その他」(138.8%)となった。
1位「AV機器」は、テレビやワイヤレスイヤホンなどの家電。テレビはコロナ禍によりおうち時間が増えたことで、ワイヤレスイヤホンはリモートワークが増え周りを配慮して会議などを行う必要が出てきたことで需要が高まったため、テレビCMの放送回数も増加した。
2位「パソコン」は、上半期と同順位となっている。自分自身の状況に応じて働く場所を選ぶ新しい働き方が広まり、ノートパソコンを持ち運ぶ人が増えたことを表している。
3位「その他」は、コロナ禍で当たり前になったフードデリバリーサービスが入っており、こちらもコロナ禍で生まれた生活様式を映す結果となった。
放送回数が減少したカテゴリーは、1位「電車・航空(前年比34.2%)」、2位「カメラ・プリンタ(前年比40.2%)」、3位「観光・アミューズメント(前年比50.1%)」と続いた。2020年上半期の減少カテゴリー5位以内に入っていたカテゴリーが下半期にも3つ(電車・航空、観光・アミューズメント、イベント)入っており、コロナ禍の影響がまだ続いていることがうかがえる。
【調査概要】
調査期間
上半期:2020年4月1日~2020年9月30日
下半期:2020年10月1日~2021年3月31日
調査対象:番組宣伝を除いた全国地上波25局、BS放送6局のテレビCM
調査方法:動画認識エンジンを活用したテレビCM自動認識システムにて取得した放送履歴情報を基に調査
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