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販促もブランディングもAmazonで。コカ・コーラ「新ラベルレスボトル」のフルファネルキャンペーン

Amazonのキャンペーンで意識したのは「ストップ・ホールド・クローズ」

石井:施策において意識されたのはどのような点だったのでしょうか?

太田:ストップ・ホールド・クローズの考え方に基づいてキャンペーンを設計していきました。「ストップ」ではお得に買えるクーポンをバナーで表示して、目に留めてもらうこと、バナーをクリックしてもらうことを意識しました。ここではまずショッパーにベネフィットを提示することを目的としています。

 次の「ホールド」では、ブランドの世界観を表現できるカスタムランディングページをAmazon.co.jp内で制作し、これを活用してブランドや商品の理解を促しました。

 そして「クローズ」では商品詳細ページのコンテンツを拡充して購入を促す施策を展開していきました。

石井:認知から検討、購買に至るまでの流れを意識したキャンペーンを行ったのですね。アッパーファネルからミドルファネル、ローワーファネルまでフルファネルでAmazonを活用いただいています。もう少し詳しく聞かせていただけますか。

太田:たとえば、コカ・コーラが誕生した5月8日に合わせて「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロ」の新しいラベルレスボトルを訴求するキャンペーンをAmazonで実施しました。

 アッパーファネルでは、特定のブランドを意識せずにAmazon.co.jpを訪れるショッパーや食品・飲料を探しているショッパーに対して、「最大20%OFF」や「Amazon先行発売」を訴求するクリエイティブを制作して、Amazonのトップページに出稿しました。新ラベルレスボトルの認知と興味・関心を促す施策です。

石井:お得に買えるクーポンは魅力的ですね。Amazonのトップページの広告をクリックしたお客様は、その後どういった体験ができるのでしょうか。

太田:Amazonのトップページの広告をクリックすると、ショッパーはコカ・コーラ独自のカスタムランディングページ(特設ページ)に遷移します。カスタムランディングページの上部でクーポンを知らせるバナーを表示して、セール中であることを継続して認知してもらいつつ、先駆けて、かつお得にお買い物ができるように案内しました。

 このバナーをクリックするとランディングページの下のほうにある、「セール関連商品一覧」に遷移して、あとは「カートに入れる」をクリックしてお買い物ができます。

 ただ、興味深いのは、ランディングページの分析をしていくと、Amazonのトップページをきっかけにリーチしたアッパー層のショッパーの多くが、ページをさらにスクロールして、新ラベルレスボトルのデザイン性や特徴を紹介したコンテンツも閲覧していることがわかりました。

 Amazonのカスタムランディングページでは、ショッパーが自分にとって有益な情報を、積極的に発見しようとする、そんな動きが見られます。

石井:単に商品の購入だけではく、ブランドが伝えようとしているストーリーやメッセージにも目を向けているお客様がいるということですね。ミドルファネル向けの施策はいかがでしたか?

太田:ミドルファネルでは、炭酸飲料を買いに来ているショッパーに対してAmazon DSPを用いてAmazonの内外で広告を展開し、カスタムランディングページに訪れるよう設計しました。

 ここでは、中段にある「オケージョン訴求、つまり飲用シーン」のクリック率が最も高い結果がでています。アッパーファネルのショッパーよりもコカ・コーラブランドの認知度が高い可能性があることから、「新ラベルレスボトルのデザイン性や特徴」よりも、具体的な飲用シーン、たとえばドラマを観ながらや、ゲームプレイ中、パーティーや食事といったシーンに惹かれたと考えています。

 最後にローワーファネルでは、Amazonで「コカ・コーラブランド」を閲覧しているショッパーには、Amazon DSPを使って広告を展開しました。既にコカ・コーラ ブランドファンである可能性が高いため、カスタムランディングページは介さずに、あえて直接コカ・コーラの新ラベルレスボトルの商品詳細ページへ訪れていただけるように設計しました。

Amazon Adsのクリエイティブチームとの協業でブランディングと購買を両立

石井:今回のキャンペーンでは、Amazon Adsのクリエイティブチーム「Brand Innovation Lab」とも協業していますが、いかがでしたか。

太田:カスタムランディングページは、ショッパーの購買体験に大きな影響を及ぼすので、その制作に長けた「Brand Innovation Lab」に依頼できたのは良かったです。Amazonのショッパーを最も理解されているのはAmazon Adsだと考えていたので。

石井:Brand Innovation Labは、Amazonが提供する様々なサービスの特性を理解して、カスタムランディングページやFire TV、Twitchなどで展開する広告クリエイティブを制作しています。Amazon Adsの制作力を評価いただけて大変嬉しく思います。

太田:EC事業部だけでランディングページを制作すると、単なる商品説明や価格の安さを表現したページになることが少なくないですし、それだけではメッセージ性が不足してしまいます。しかし、Brand Innovation Labのクリエイティブは、2021年にジョージアブランドで行った施策も含めて、社内から高い評価を得ていました。

 また、今回のコカ・コーラの新ラベルレスボトルは世界観を伝えるのが非常に難しい商材でした。このキャンペーンでもBrand Innovation Labと議論を重ねながらカスタムランディングページを制作した結果、ショッパーからも好評で、ブランドチームも満足していました。

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フルファネルで大きな効果 成功の裏に隠された努力

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/16 10:30 https://markezine.jp/article/detail/40522

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