「投稿」ではなく「コメント」がユーザーの態度変容を起こす?
UGCは、もはや投稿だけで語れない時代に突入しています。
これまで、企業がTikTokを活用する際には大きく4つのパターンが存在しました。「1.広告出稿によるリーチ拡大」「2.インフルエンサーとのタイアップによる認知獲得」「3.自社アカウントからの情報発信」そして「4.一般生活者による投稿型UGC」です。これらは長らく主流の活用方法であり、ブランド発信×生活者発信が掛け合わされる形で機能してきました。
一方で、近年注目されているのが、それらすべての投稿に寄せられる“コメント”です。動画そのものではなく、投稿に寄せられるコメントにこそ疑問や共感、使用感のシェアが集まり、ユーザーの態度変容を後押ししていきます。サイバー・バズでは、これを「コメント型UGC」と呼んでいます。
なぜTikTokのコメント欄が購買のカギになるのか?
TikTokの特徴は、高いコメント率とアルゴリズム評価、そして「誰かの声」が生む共感です。この3つの要素が組み合わさり、コメント欄がユーザーの意思決定の舞台裏となります。
そもそも、TikTokでコメント文化が活発なのには、次のような理由があります。
TikTokコメント文化の背景:UX
TikTokは他のSNSに比べコメント率が高く、動画一覧でも「コメント数」が目立つ設計です。ユーザーは動画視聴と同時にコメント欄を開き、第三者の声をチェックする行動が定着しています。結果としてコメントが多い動画は「盛り上がっている」「信頼できる」と認識され、さらに視聴が拡大します。
TikTokコメント文化の背景:アルゴリズム
また、TikTokのアルゴリズムでは、コメントがエンゲージメント指標として重視されています。コメントが多いほど動画のスコアが高まり、露出範囲や再生数が拡大するという仕組みです。さらにコメント閲覧と同時視聴は再生完了率と比例しており、評価の好循環が生まれます。

TikTokコメント文化の背景:ユーザーの年代
さらに、TikTokのユーザー層の特性も見逃せません。国内のTikTokユーザーは20代までの若年層が大半を占めており、日常的に大量の広告やブランド発信に接触しています。情報過多の中で不安や疑問を抱きやすい彼らにとって、コメント欄に並ぶ“誰かのリアルな声”は安心材料であり、意思決定を補強する最後のひと押しとなります。こうした背景が、TikTokならではの強い「コメント文化」を育んでいるのです。
