質問するだけでインサイトが返ってくる
ユーザーの行動を細かく追いながら変化の兆しを捉えることは、それほど簡単なことではない。実践したい気持ちはあっても、そこに割くリソースが不足しているマーケティングチームは少なくないだろう。そこで竹内氏は、Amplitudeから2026年2月に正式リリースされた「AIアナリティックスプラットフォーム」を提案する。

同プラットフォームでは、たとえば「継続率が高いユーザーの特徴は?」と質問するだけで、AIがインサイトを自動提示。さらに、ABテストやガイド&サーベイの機能を組み合わせると、Web上にポップアップを表示することもでき、施策実行までつなげやすい。得られた反応データをAmplitudeに還元し、追加の分析につなげる循環も構築可能だ。
「AmplitudeのAIアナリティックスプラットフォームを活用することで、従来の『クエリを書く』『ダッシュボードを作成して分析する』などの煩雑な作業から解放され、マーケターは問いに向き合う時間を増やすことができます。本来の役割である、体験設計や意思決定に注力できるのです」(竹内氏)
西武ライオンズがAmplitudeの導入を決めた理由
セッションの後半、プロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」を運営する西武ライオンズから、ファンとの1to1コミュニケーションを主導する皆川 晴氏が登壇。自社の取り組みについて紹介する。
コロナ禍で一時的に落ち込んだ観客動員数が、近年回復基調にある埼玉西武ライオンズ。この流れを加速するように、同球団で注力しているのがダイレクトマーケティングだ。具体的には公式LINEアカウントと公式アプリを基盤に、Amplitudeを活用したダッシュボードの構築と分析、コミュニケーションツールを横断した最適化設計などを行いながら、ファンに向けた施策を展開している。
Amplitudeを導入する前に抱えていた課題を、皆川氏は次のように振り返る。
「アプリ、LINE、メルマガが、情報を発信するためだけのツールに留まっていました。一方的な情報発信が多く、離脱につながっていることも課題でした。ただ、ダイレクトマーケティングに注力しようにも、ユーザーのニーズを捉えられるようなデータが不足していたのです。少人数で稼働していたため、分析・運用リソースの不足も重要な課題でした」(皆川氏)
情報過多による整理不全や1to1コミュニケーション最適化への不安、運用リソースの不足などの課題を抱えていた埼玉西武ライオンズ。そのような状況でAmplitudeを導入したわけだが、導入の決め手となったのは「ユーザーに対するコミュニケーションをストレスなく設計できる点」と皆川氏は語る。
「Amplitudeの導入前もGA4でデジタル上の行動を見てはいましたが、セッションが切れると接触媒体と購買の関係が見えづらいという課題がありました。その点Amplitudeは、購買データと行動データを統合でき、ある媒体に接触してから最終購入に至るまでを一本の線で見ることができます。パラメーターベースではなく、接触媒体別にユーザー一人ひとりのコンバージョン率の違いを見られる点も良いです」(皆川氏)

