友達や家族と動画を楽しむのに最適な「ニコニコメッセ」
今回発表された2つのサービスは、マイクロソフトのWindows LiveのAPIを利用して開発されたもの。そのひとつ「ニコニコメッセ」は、Windows Live Messengerを使ってニコニコ動画を楽しみながら会話ができるサービス。
ニコニコ動画の視聴画面に設置された「メッセする」のリンクをクリックするとMessengerが起動し、リスト中に登録された友人に招待メッセージが送信される。あとは動画を一緒に見ながら会話ウィンドウにコメントを入力してや り取りするだけ。入力したテキストは動画の上に字幕コメントとして表示され、2人だけで「プライベートニコニコ動画」を楽しむことができる。
「ニコニコメッセ」はMessengerユーザーあれば、ニコニコ動画のIDがなくても利用できる。Messengerの仕様上1対1でしか利用できないが、2人ともニコニコ動画ユーザーでなくてもかまわない。ニコニコ動画を運営するニワンゴの親会社、ドワンゴ顧問の夏野 剛氏は、この手軽さがニコニコ動画の一般化に貢献するのではないかと説明。夏野氏自身も「子どもの動画を親と共有するときに使いたい」と語っており、誰でもすぐに使えて共有できる楽しさを強調する。また、ニコニコ動画側にはニコニコメッセの会話は表示されないので、親しい友達どうしでニコニコ動画のコメントを見ながら「あんなこと言ってるけどさー」などと突っ込みを入れるといった楽しみ方もある。
もうひとつの「ニコニコアラート」は、「Windows Live Alerts」の機能を使ってニコニコ動画から配信されたニュースを、デスクトップの右下にポップアップ表示(トースト)するサービスで、各種ランキングや新着公式動画のお知らせなどをタイムリーに受け取ることができる。
「ニコニコメッセ」はひろゆき氏のアイディアから生まれた
今回のサービスでは、Windows Liveとニコニコ動画が違和感なく融合している。「ニコニコメッセ」誕生のきっかけとなったのは、4月に「Windows Live Messenger」の広告ページにひろゆき氏が登場したときに語ったアイディア。本人は実際にプロジェクトが進んでいるとは思っていなかったそうだが、その使い勝手には満足しているようだ。
最近はポータルサイトが人気サービスとコラボレーションを展開することが多いが、今回のサービスはニコニコ動画ユーザーとMessengerユーザーに とって「なんで今までなかったんだろう」と思わせる仕上がり。マイクロソフトが社内でMessengerユーザーがよく利用しているサービスを調査したと ころ、ニコニコ動画は他サービスの2倍という人気を博しており、そのユーザー層の重なりが今回のサービス融合に効果的に作用したようだ。
発表会はニコニコ動画で生放送され、9908人が視聴した。夏野氏はリアルタイムで視聴者から繰り出される質問に次々と回答。「Mac? Macでは使えません」「友達がいない人は自分で解決してください」など、笑いを交えながらさばいていった。
記者からは、ニコニコ動画は5月にYahoo! JAPANとの協業を発表しているが、今後ヤフーでも同様のサービスを展開するのかという質問が寄せられたが、「統制がとれてないですね、あとで(ヤフーに)怒られる可能性もある(笑)」とコメント。夏野氏ならではのフットワークの良さに、マイクロソフトのコンシューマー&オンラインマーケティング統括本部長の笹本 裕氏も、時にたじたじとなりながらも終始笑顔だったのが印象的だった。
今回はプライベートで参加したというひろゆき氏は、いまだ夏休み中の子どものような格好。一方の夏野氏はノーネクタイながら胸にポケットチーフをさしたジャケットとジーンズといういでたち。夏野氏はサンプル動画を指して、「本当はうちの子どもの動画を公開したかったんだけど、奥さんに反対されて、ひろゆきのつまんない動画を流してます」とコメントするなど鋭い突っ込みも健在。相変わらずの名コンビぶりだった。
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