「ニコニコ小会議」という控えめなタイトルとともに始まった発表会は、ドワンゴの小林社長による経過報告からスタート。ニコニコ動画の登録者数は現在930万人、モバイルサービスの登録者は240万人。それぞれひと月あたり50万人、16万人ペースで増加している。
しかし、事業の有料会員は20万3000人ほどにとどまっており、黒字化はまだまだ厳しい状況が続いているという。そのため、黒字化対策のひとつとして、広告枠を3.5倍にするプランを発表。「ローテーションバナー広告」というユーザーがいじれる広告の販売を開始する。
さらに10月1日16時から「ニコニコ動画(秋」へバージョンアップするのに伴い追加された新機能などを、ニワンゴ取締役の西村博之氏とドワンゴ顧問の夏野剛氏が紹介。
プロ・アマ問わず作品を登録して提供する二次利用可能な素材庫「ニコニ・コモンズ」には現在、画像が3600件、音声が700件、動画が200件登録されていると報告。そこに10月中旬から新機能としてコメントを書き込める機能を追加する。
また、10月からニコニ・コモンズのパートナーとなるイラスト特化型SNS「pixiv」を運営するクルーク代表取締役の片桐孝憲氏がゲスト出演。「作品のクオリティが高いですね」という西村氏に対して、現在約35万人いるpixiv利用者のうち7割は「絵を描かないユーザー」と説明し、笑いを誘った。
そのほか、動画再生画面全体がファーストビューで表示されるよう10月1日からインターフェイスをリニューアルすること、10月15日にサービスを開始する「ニコニコポイント」やニコニコポイントを使ってプレイできる「ニコニコメダルゲーム」などを紹介。「ニコニコアニメチャンネル」では、地上波アニメ「天体戦士サンレッド」と「あかね色に染まる坂」を展開する。
また、9月24日にニコニコ生放送ではじめて行われたプロ野球のソフトバンク対オリックス戦が好評で、合計4万人が視聴のために「来場」。今後は同時視聴できる人数を1万人から2万人に拡大する予定だという。
次期総選挙について西村氏は「やるのかな?」と言いつつも、税金払ってるんだから乗らないと」とニコニコ動画として新たな企画を考えていることを明らかにした。ニコニコ小会議が行われた9月30日は、米金融安定化法案の下院否決を受けて世界的な株安となったが、夏野氏は「世界の経済危機は救えないが、ニコニコ動画の危機を乗り越える」として、秘策は12月に行われる「ニコニコ大会議」で発表すると語った。
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