節約はまず食費から
クロス・マーケティングは、40代から50代の主に専業主婦12名を、第一子が小学4年生から中学生の「グループ1」と第一子が高校生の「グループ2」の2つに分けて比較した。お金の使い方については、両グループとも節約志向が高いものの、家計簿をつけるなどの家計管理はしていない。
支出項目のなかでは、食費関連がまず節約対象としてあげられ、外食・内食はより安価な店や商品へシフトし、宅配ピザなどの中食は割高なために利用を中止している。次いで節約対象となっているのが、美容院でのカット、カラーリング、アクセサリー購入などの美容関連や服飾費、雑誌や書籍などで、自分のための支出を工夫したり我慢する傾向が見られた。
「ユニクロ」「しまむら」だけでなく「H&M」「Forever 21」でトレンドチェック
家族の衣料品の購入については、自分と子どものものに限られている。その理由としては夫の衣料品は自分が買ってきても喜ばないし、着ない。また、子どもについても、年齢が上がるにつれて自分で選ぶようになるため、母親は同行して支払うのみとなっている。
母親自身の普段着については、ユニクロ、しまむら、西友などの安さで有名な店舗で購入しているが、トレンドを抑えておく行動も見られ、グループ1では半数が「H&M」を訪問。また、「Forever 21」を利用した人もいた。
差し迫った危機感はないが「低価格傾向」には同調
景気の悪化を認識しているものの、実際に給料の減少などを経験した対象者はほとんどないことなどから、差し迫った危機感は見られなかった。そのため、特に景気を意識した具体的な生活行動は思い当たらないものの、時流としての低価格傾向には同調している。
また、今後収入が減った場合は現在と似たような節約対策を行うとした人が多く、今後収入が現状より増加した場合も、子どもの教育費の増加に備えて、貯蓄にまわすとした人が多く見られた。
このように今回のグループインタビューでは、対象者は節約志向があり、時間をかけて安いものを選んで購入している様子がうかがえるが、家計費は余ることはないという実態も明らかになった。これはきちんとした家計管理を行っていないため、安いもののを必要以上に買って、買い物の楽しさを得る一方、結果として赤字家計に陥っているのではないかと同レポートでは分析している。
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