不況だからこそ伸びるCRM市場
昨年12月から今年の2月にかけて行われた調査では、国内CRMパッケージベンダー7社が対象となった。2009年のCRMパッケージライセンス市場は、前年比4.1%増の173億円。この成長を支えたのは、初期コストをかけずに小規模でも利用できるオンデマンド型(SaaS型)のCRMベンダーの台頭である。また、厳しい経営環境から、IT予算を実効性のある分野に配分したいと考える企業の存在も大きい。
これらの要因によって、IT投資全体ではマイナス基調が続くものの、2010年のCRMパッケージライセンス市場は184億円(前年比5.9%増)、2012年には207億円に達する見通しだ。
2009年市場シェア1位はセールスフォース・ドットコム
2009年はオンデマンド型(SaaS型)が前年比9.3%増、オンプレミス型(自主運用型)が0.2%増で、オンデマンド型の伸びが大きい。オンデマンド型CRMベンダーの中でも、セールスフォース・ドットコムは2009年に市場全体ではじめてシェア1位を獲得。2010年以降も1位を維持しそうな勢いだ。
CRMパッケージの導入は、数年前までCRMはオンプレミス型が主流だったが、近年、オンデマンド型主導へと変化している。とはいえ、カスタマイズの柔軟性、既存システムとの連携の容易さという、オンプレミス型のメリットは依然として大きい。また、「クラウドコンピューティング」が注目を集めているが、市場では、SaaSが定着したといえる段階に入っている。
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