シード・プラニングは、アドネットワーク事業者、広告代理店、メディアレップ、媒体社各社を対象に、2009年10月から2010年7月にかけて、アドネットワーク動向調査を行った(検索連動型広告は本調査対象の定義外)。
企業の広告費削減の影響によって、2009年のインターネット広告市場は堅調を維持しつつも低成長にとどまった。その中で、媒体社は広告代理店・メディアレップを通した販売チャネルでの売上が停滞する一方、アドネットワークを介した広告販売量が大幅に増加。新たにアドネットワーク事業を開始する事業者が増えたことから、PCアドネットワーク市場は拡大した。
2009年のPCディスプレイアドネットワーク市場は、対前年プラス9.3%、PCテキストアドネットワーク市場は、対前年プラス37.2%に成長。特に、比較的低単価の広告商品を提供する事業者が広告主からの支持を受け、売上を大幅に拡大させた。シード・プランニングは、経済環境の改善に伴い、PCディスプレイアドネットワーク広告への需要はより高い水準で拡大すると見込んでおり、2010年のPCアドネットワーク市場は、対前年プラス28.5%の成長を予測している。
インターネット広告市場では今後、さまざまなユーザー属性データをもとに、広告主がターゲットとするユーザーが見る広告を購入する“オーディエンス(ユーザー)ベース”での広告売買による広告流通の普及が予想される。この新しい広告流通の形成にともない、PCアドネットワーク市場は、2013年には1000億円規模となることが予測される。
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