つぶやき件数が最大となる前に見えたきざし
昨年8月に発売された桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は、“食べるラー油”ブームの中でヒット商品となった。日経リサーチとNECビッグローブが行った今回の調査は、この商品の情報がツイッターのリプライやリツイートなどを通じてどのように伝わったのかを分析するもので、ツイッター上でのつぶやき(投稿)を(1)誰かに返信したつぶやき(reply)、(2)誰かのつぶやきを転送したつぶやき(retweet)、(3)それ以外のつぶやき(simple tweet)の3種類に分類している。
上のグラフに示したとおり、つぶやきは、テレビの情報番組でラー油特集が組まれた3月後半の週に最大件数を記録しているが、注目なのは2月8日の週。ここで他者のつぶやきに返信や転送をした割合が前週の36%から57%へと急増している。これはラー油についてのつぶやきに、ツイッターユーザーが返信や転送といった形で関心を示したことを表しており、ツイート数が最大となるおよそ1か月半前から、ラー油についての関心が高まっていたと推測される。
リプライやリツイートで広がるコミュニケーションネットワーク
ツイッターでは、投稿できる文字数が140文字と制限されるため、情報量の多いものはURLを引用して伝えることが多い。ユーザー間で行われるリプライ(返信)やリツイート(転送)といったコミュニケーションのネットワークに、つぶやきで引用されたウェブサイトを重ねたのが以下の図だ。最も引用が多かったウェブサイトは「Twitpic」で、画像共有サイトの引用が目立つ。これは、ラー油を購入したユーザーが商品自体やご飯にかけた場面等を写真に撮って公開することが多いためである。
また、製品メーカーサイト、製品を紹介するニュース記事(GIGAZINE、Yahoo!ニュースなど)、ソーシャルゲームのネタ(ツイッター診断メーカーでの診断結果)などの引用も混在しており、企業の商品サイトや品薄状態を伝えるニュース記事を引用することでクチコミが拡大していった様子が見て取れる。
調査レポートでは、ブログ分析が発信される情報自体が分析対象だったのに対して、ツイッター分析ではユーザー間のコミュニケーションや参照情報が注目すべき分析対象になりうると指摘している。
【関連記事】
・8月の総ツイート数は2億8千万件
・吉野家がツイッター「おはようございまぎゅう」
・マイクロソフトもびっくり、Facebook最強ゲームアプリユーザーの反応の速さと広告効果