海外の「教育ICT3品目」の動向
シード・プランニングは、海外の動向を含めて、「教育ICT(Information and. Communication. Technology)3品目―電子黒板、教育用タブレット、電子教科書の動向を分析し、市場予測を行った。
海外では、英国で電子黒板が最も普及しており、ロシアや中東諸国、アフリカ諸国では、教師を育成する代わりに電子黒板を導入するという動きが広がっている。 電子教科書については、韓国が一歩リードしており、2012年にすべての小・中学校に電子教科書を導入。2013年には教育用タブレットも“1人1 台”とする計画だ。電子教科書を読む端末としての教育用タブレットについては、インテルが全世界で「Classmate PC」を展開し、アップルiPad も有力候補に浮上している。
国内では2015年に1453億円市場に
国内では、総務省が2010年度から「フューチャースクール推進事業」を実施しており、2015年までにすべての小・中学校全生徒へ電子教科書を配備することをかがげている。
国内の現状を見ると、2010年までは数種類の指導者用電子教科書しかなく、市場も年間1億円未満だったが、2011年4月から新学習指導要領が実施され、それに準拠した指導者用電子教科書が出そろったという段階だ。2015年に電子教科書をすべての小・中学校の全生徒に配備することを目標としており、シード・プランニングは3品目あわせて1453億円と予測している。
国内の市場予測では、2014年までは電子黒板の市場規模の割合が多く、2010年は特に政府特需により金額ベースで98.5%を電子黒板市場が占めている。2015年は教育用タブレットの政府特需が見込まれることから、教育用タブレットだけで1000億円になる。
しかし、文部科学省が2009年度補正予算で盛り込んだ「学校ICT 環境整備事業」が事業仕分けの対象となったことから、教育ICTの普及については、国内経済、政治状況ふくめて注視していく必要がありそうだ。
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