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定量×定性分析を組み合わせたコンバージョン率向上アプローチ ─ データドリブン視点のサイトリニューアル実践法第5回

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 5回目は「コンバージョン率向上」のための具体的な手法について解説します。KPIを正しく設計すること、設定したKPIを定点観測し改善に繋げることの重要性については第3回でお伝えしました。コンバージョン率を向上させるには、定量×定性両面から“現状がその数値である理由”をあぶり出し、改善施策に落とし込むことが重要です。今回はその手法として「A/Bテスト」によるコンバージョン率向上手法についてご紹介します。

A/Bテストを実施するメリット

 A/Bテストとは、サイトのページや要素について異なるパターンをランダムに表示し、どのテストパターンが最もコンバージョン率の向上に貢献したかを比較検証により見つけ出す手法です。A/Bテストを実施により、以下のようなメリットがあります。

より正確な効果検証が可能

 前後比較テストと違い、A/Bテストは外部要因(月別トレンドや他の施策)による影響を受けないため公平な比較検証が可能です。それによりテストパターンの優劣をより正確に判断でき、仮説を検証することができます。

事実に基づいたナレッジの蓄積が可能

 テストを繰り返し実施することでナレッジを蓄積できます。これは仮説に対しての結果が数字で蓄積された事実であるため、社内の情報共有や意思決定に活用できます。

ECサイトのA/Bテスト事例

 ここからはA/Bテストの具体的な事例をご紹介します。

 以下は、Marketing & Technology Labs(以下MTL)が2011年3月までPDCA運用をしていた「ヴィレッジ・ヴァンガードオンライン」で実施したテスト事例です。平均注文単価の増加を目的として、カートページでA/Bテストを実施しました。

 ECサイトで買い物するユーザが最も重要視している点のひとつは送料です。そこで、送料が無料になる金額をフックとし、商品のついで買いを促進するようにコピーを変更したテストパターンを作成しました。

「お買い物を続ける」というオリジナルコピーと
「1,905円以上の商品はこちら」といテストコピーで比べたところ、
テストコピーの成果が上回った

 結果、オリジナルパターン(A)と比較してテストパターン(B)では平均注文単価で16%、売上で23%向上させることに成功しました。

 この事例のように、A/Bテストでは少しの改善でも驚くべき成果を上げる施策を低リスクで見つけ出すことが可能であり、テスト結果をナレッジとして数字で蓄積していくことができます。

 しかし、テストは手当たり次第に行うべきではなく仮説に基づくテスト設計が重要です。前述の事例も定量的観点でカートページの訪問状況を、また定性的観点でこの画面に訪れるユーザのインサイトを分析し、課題発見を行ったからこそ効果のある施策となったのです。


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