SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2013 Premiumレポート

試行錯誤の末9つのガイドラインを設定
店頭接客をネットでも再現する東急ハンズのソーシャルメディア運用術


大小と窓口の大小をミックスさせる “ツイッター未来像”

 例えば商品の使い方についての質問がオンラインで挙がったとき、店舗ならば現場で使い方の動画を撮影し、それをもって応えることができる。オンラインでリアルな情報を手にできれば、それはオフラインへの大きな誘客経路になる。逆に、店舗では全社的な規模感の情報は扱いにくいので、その場合は本部アカウントと連携する。

 「このように、情報の規模の大小、そして窓口の大小をミックスさせて洗練させることが、ハンズの描く“ツイッター未来像”であり、ネットとリアルの連携のひとつの形だと思っています」(緒方氏)。

 一方、話しかけやすい雰囲気を作り上げただけに「これ店舗にある?」というリプライが多くなったため、それに対応するべく前述の「コレカモネット」を開設した。商品を探しているツイートを検出し、独自のアルゴリズムと分析によって適した商品を検索、店舗またはECを案内する仕組みだ。

 加えて2010年より開始しているフェイスブックでも、新鮮さや共感を覚える投稿を意識している。写真の有無でインプレッションが大きく変わるため、写真は必須というが、「あくまで共感を誘うのは言葉であり、内容。邪魔にならない投稿を心がけています」と緒方氏。

東急ハンズを愛してくれる人を増やすことがゴール

 同社ではさらにオンラインとオフラインのシームレス化を促進するため、昨年12月にネットストアのリニューアルを敢行。商品ページには各店舗の在庫状況や売上ランキングを表示し、また「今、コレ売れました!」と銘打ったスペースで全店舗のPOSデータとのリアルタイム連動も実現した。店舗で購買された商品をリアルタイムで表示し、未知の商品への関心を喚起している。

 地道な運用を続けた結果、今ではツイッターで紹介した商品が当日にネットストアで3~5倍と一気に売れ、翌日以降では店頭の動きに反映されるという好事例も増えてきた。ネットストアへのアクセスも、年を追うごとにソーシャルメディアからの流入が増えている。ただ、売上や流入数などを無理に追わないのは、ソーシャルメディア運用を始めた当初と変わらない。

 「来店喚起となる投稿や問い合わせのしやすさなどにより、東急ハンズを愛してくれる人を増やすのが最終的なゴール。実際に『東急ハンズ』アカウントのツイート内容はその8割がリプライに対する返信です。商売の基本である対話から生まれる愛着が、買い物時の第一想起率を上げると考えています」。

 それに加えて、顧客の生の声を社内の各部門にフィードバックすることで、インナーモチベーションの向上に大きな手応えを得ているという。緒方氏は、「ハンズにとってソーシャルメディアとは、顧客とより深く関わるための新しい窓口」だと定義する。そのぶれない意識が、ファンの拡大につながっているといえるだろう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2013 Premiumレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/04/18 12:28 https://markezine.jp/article/detail/17416

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング