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MarkeZine Day 2013 Premiumレポート

試行錯誤の末9つのガイドラインを設定
店頭接客をネットでも再現する東急ハンズのソーシャルメディア運用術


 2013年3月5日(金)に開催されたMarkeZine Day 2013 Premiumでテーマに据えたのは、「スマホ、ソーシャル時代のマーケティングトレンドの実践ノウハウを1日で俯瞰する」こと。トップバッターにはソーシャルメディアの活用をテーマに、東急ハンズからITコマース部 EC企画課 ディレクターの緒方恵氏が登壇。「ソーシャルメディアの運用は店頭での接客と同じ」という、その指針や工夫を紹介した。

東急ハンズとは、ヒントを売る“ヒント・マーケット”

 幅広いジャンルをカバーする豊富な品揃えから「ハンズに行けば見つかる」、そんなイメージのある老舗小売店、東急ハンズ。スタッフの深い商品知識によるコンサルティングセールスも、その人気を支える大きな要因だ。

 だが同社でも、近年のECの普及をはじめとする購買環境の変化を受け、その立ち位置の見直しを迫られた。「購買の場が拡張する時代に、ハンズがこれまで以上にお客様に来てもらうためには何をすべきか。他社が真似できない付加価値とは何かを考えました」と、ITコマース部 EC企画課 ディレクターの緒方恵氏は話す。

株式会社東急ハンズ ITコマース部
EC企画課 ディレクター 緒方恵氏
株式会社東急ハンズ ITコマース部 EC企画課 ディレクター の緒方恵氏

 そうして2009年6月、同社は改めて顧客に対するステートメントを打ち出した。それが、「ヒント・マーケット」構想である。コンビニエンスストアが“便利さ”を売り、魚市場が“イキのよさ”を売るなら、ハンズが売るのは単なる商品ではなく“ヒント”。これまで以上に適切なアドバイスや傾聴の姿勢を踏まえたコンサルテーションを大切にすると、社内外に発信した。

 「意外な使い方や組み合わせ、ディスプレイからのインスピレーションなど、ハンズでしか得られないさまざまなヒントを商品と一緒に持ち帰ってもらうというのが、ヒント・マーケットのコンセプトです。それは言い換えれば、顧客一人ひとりと向き合おうという商売の原点回帰でした」(緒方氏)。

人件費はじめプラスアルファのコストがかからない点を強調

 現在同社が運用する8つのソーシャルメディアも、このコンセプトがベースにある。まず、2009年7月にツイッターアカウントを、翌年にフェイスブックのアカウントを開設し、ほかにも現在YouTubeやmixi、関心空間などを活用している。また、ツイッターのつぶやきから商品情報を返答する独自開発のWebサービス「コレカモネット」も運営している。

 ヒント・マーケット構想をベースにしたといっても、「そこまで壮大な目標を持ってソーシャルメディア運用に着手したわけではない」と緒方氏は話す。

 「どちらかというと、新しいものが好きだというハンズのDNAに基づいてスタートしました。そのため、明確なKPIなどはなく、運用体制も本部スタッフが本業の傍らで日に何度か対応する程度としました。実際に、私も開始以来Webディレクターと兼務で携わっています。役員の承認を得るのもそう難しくありませんでしたが、ただ、人件費を含めて特別な費用がかからないと強調したことはポイントだったと思います」。

 まだ知られていない、すばらしい商品はたくさんある。数多く開催しているイベントも紹介したい。そんなコンテンツはたくさんあったものの、それまでのハンズの告知媒体は店頭のほかに新聞折込チラシ、Webサイトとメルマガ程度。「ソーシャルメディアが強力なプッシュツールになれば、と考えていました」(緒方氏)。

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オンラインでの対応は店頭での接客と同じ

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/18 12:28 https://markezine.jp/article/detail/17416

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