矢野経済研究所では、韓国のスマートフォンゲーム(アプリ)市場に関する調査を実施した。本調査におけるスマートフォンゲーム(アプリ)市場は、モバイルゲームのうちスマートフォンゲーム(アプリ)を対象とし、有料アプリ販売やアイテム課金等のアプリ内課金など、ユーザーへの課金金額で算出した。広告収入は含まない。
韓国のスマートフォンゲームの市場概況
韓国でスマートフォンが発売され普及が進んだ2010年頃から、既存のモバイルゲーム開発企業がスマートフォン向けゲーム開発の展開を開始。これをきっかけに、韓国におけるスマートフォンゲーム(アプリ)市場は立ち上がった。
そして、2012年7月に、韓国最大のユーザーを持つスマートフォンメッセンジャーアプリの「Kakao Talk」(以下、カカオトーク)がゲームサービス(カカオゲーム)をスタートしたことで、市場は飛躍的に拡大。2012年のスマートフォンゲーム市場規模を、前年比79.4%増の7,600億ウォン(事業者売上高ベース)と推計。
2013年もカカオゲームの勢いは止まらず、それ以外にも海外ゲームタイトルなどの人気も高く、さらに市場は活況を呈している。2013年のスマートフォンゲーム(アプリ)市場規模は、前年比64.5%増の1兆2,500億ウォン(事業者売上高ベース)になると予測する。
カカオトークをプラットフォームとしたゲームの興隆
カカオゲームは、韓国最大ユーザーを持つカカオトークのソーシャルグラフを背景に、ゲームプラットフォームとして圧倒的な成功を収めた。韓国のスマートフォンゲーム市場は、現在、カカオゲーム一色となっており、中小ゲーム開発企業だけでなく、独自プラットフォームを展開していた大手ゲーム開発企業までが、カカオゲームに参入し再展開を始めている。
カカオゲームの成功事由としては、まず強力なソーシャルグラフが挙げられるが、サービス開始当初に、パズルやミニゲーム、シューティング、アクションアーケードなどのカジュアルゲーム(簡単な操作でプレイができるゲーム)を中心にラインアップしたことが功を奏した。これまでにゲームをした経験が乏しいノンゲーマーや女性が多数参入し、成功に繋がったと考える。
【調査概要】
調査期間:2013年1~7月
調査対象:韓国のゲーム開発企業、スマートフォンゲームプラットフォーマー
調査方法:同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
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