ビッグデータ時代に新たな挑戦を
3月26日に行われた記者会見で、ウイングアーク1st代表取締役社長 CEO 内野弘幸氏は、BI事業が順調に成長していることを報告し、そのうえで新たな挑戦を行うと宣言した。
ビッグデータの時代と言われる現在、データをいかに可視化してビジネスに素早く活用するのかが問われている。今回の記者発表会では、そのための新たなソリューションが2つ用意されていた。そのひとつが、業務の現場で使いこなせるBIツールとして、ウイングアーク1stが提供する「MotionBoard」の新バージョンだ。
地図上にデータを簡単にマッピング、スピードだけでなく表現力も向上
可視化・分析のためのダッシュボード「MotionBoard Version 5.0」は、「大量データ処理」「統計分析に必要な表現力向上」「誰でも使える使いやすさ」の3つを柱に磨きをかけた。対応するデータソースも拡大し、サーバーサイドにある大規模データから、個人のPCに保存されているExcelファイルやCSVファイルまで、さまざまなデータを取り込んで、高い表現力で可視化。大規模データ処理にはインメモリ技術も採用して高速化している。
MotionBoardの特長のひとつに「地図機能」がある。詳細な日本地図だけでなく世界各国の地図データを標準搭載し、地図上に売上データなどをマッピングして表現できる。たとえば出荷明細をもとにエリアを色分けするのはもちろん、物流やデータの推移をスライダー操作ひとつで簡単に行なうことができる。
また、Excel活用から脱却できない企業に向けて、社員がローカルでExcelファイルを更新すると瞬時にMotionBoard上に反映される機能も。この新バージョンでは500以上もの機能強化・改善が行われたという。データ活用における可視化の重要性が高まるなか、使い勝手のよい身近なBIツールを探している企業は重宝しそうだ。MotionBoard Ver 5.0の価格は100万円(5ユーザー)から。5月15日に出荷される。
DMPのためのダッシュボード「MotionBoard Cloud for DMP」
今回の発表で、重要なキーワードとなったのが「クラウド」だ。ウイングアーク1stは、クラウド型のBIダッシュボードサービス「MotionBoard for Salesforce」を2012年12月にリリースし、76社で利用されている。その実績を踏まえて発表されたのが、「MotionBoard」を軸としたクラウド型の情報活用プラットフォームサービス「MotionBoard Cloud」である。
その第一弾として、6月上旬に「MotionBoard Cloud for DMP」をリリースする。このサービスは、企業が保有するデータを統合して活用するプライベートDMP(Data Management Platform)の可視化・分析のためのダッシュボードサービス。主要DMPベンダーと連携し、6月上旬にサービスを開始する。
また、MotionBoard Cloud for DMPでは、人口統計や気象観測データなどのデータ提供サービスも行う。多様なデータを多角的に分析し、レポーティングするこのサービスの初期設定費用は10万円。利用料金は10ユーザーで月額10万円、1ユーザー追加するごとに追加費用1万円。5月からトライアル利用を受け付ける。
ウイングアーク1stは、MotionBoard Cloud for DMPのプレビューイベント「ゼロから始めるDMP導入・活用のポイント」を4月15日、渋谷にあるウイングアーク1st本社セミナールームで開催する(共催:Talend、トレジャーデータ、ブレインパッド)。
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