電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業において、顧客企業のマーケティング活動支援を目的に「ジャパンブランド調査2014」を実施した。
日本が好きな国トップ3はベトナム・マレーシア・タイ
本調査で、「日本のことを好きかどうか」を質問したところ、最もスコアが高かったのはベトナム、次いでマレーシアとタイという結果に。上位はASEAN諸国が占めることになった。日本のことが「とても好き」と回答した好意度の高い人は、全体に比して、現代のサブカルチャーやコンテンツ(ファッション、キャラクター、映画など)への興味・関心が高いことがわかった。
特に全体としての好意度が高くなかった韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシアにおいて、日本のことが「とても好き」と回答した人にその傾向が強く、韓国では「音楽」、イギリスでは「アニメ・漫画」、アメリカとドイツでは「ファッション」、ロシアでは「映画」に関する日本への興味・関心が相対的に高かった。
「日本食」「日本への旅行」「日本のファッション」への興味・関心高
日本の物事の中で「興味・関心がある」ものを聞いたところ、全体的にスコアが高かったトップ3は「日本食」「日本への旅行」「日本のファッション」という結果に。「日本のファッション」や「日本のデザイン」などは、特にASEAN諸国で興味・関心が高く、項目によっては国・地域ごとの差異があった。
昨年と比較して10ポイント以上スコアが伸びた興味・関心の項目は、「日本のコスプレ」「日本のファッション」「日本の音楽」「日本の映画」「日本の伝統芸能」「日本の伝統工芸品」などだった。このことから、現代文化と伝統文化という両面で、日本文化への興味・関心が高まっていると言える。中でも最もスコアが伸びたのは「日本のコスプレ」で、日本のアニメ・漫画ブームがファッションと融合してより深化しているようだ。
寿司の認知度は8割超/日本酒は自分へのご褒美
日本食の認知・経験・意向のいずれにおいてもトップだったのは「寿司」。「寿司」の認知は8割以上にのぼり、実際に食べた人も7割強と非常にメジャーな料理に。特に台湾では、約9割の人が食べたことがあると回答した。
さらに日本産の食材の使用目的を聞くと、「自宅用/日常使い」という回答が多かった。その中でも日本酒だけは「自分へのご褒美」という回答が一番多く、特にASEAN諸国でその傾向が強かった。なお、日本酒の経験が多い国・地域のトップ3は、1位が台湾、2位が香港、3位が同スコアで韓国とブラジルが並び、地球の裏側まで日本酒が広がっていることが明らかに。
また、日本産の食材の中で意向度が最も高かったのは「野菜」で、特にインド、ロシア、アメリカで強いことがわかった。このほか、「果物」や「魚介類」の意向度も高く、香港とインドでは「果物」が、ロシアとベトナムでは「魚介類」が高い傾向にあるなど、国・地域によって差異が見られた。
訪日予定/意向がある人は全体の8割
訪日予定/意向(「1年以内に渡航する予定がある」と「日程は決まっていないが、いつか行きたいと思っている」の合計)については、全体で約8割の人が「ある」と回答し、昨年よりもスコアが7.6ポイント上昇した。なお、ASEAN諸国ではスコアが10ポイント以上伸長した。
【調査概要】
対象エリア:18か国・地域
中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、アメリカ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
調査手法:インターネット調査
調査対象:20~59歳男女(中間所得層以上)
サンプル数:地域ごとに200ss、計3,600ss
調査期間:2014年4月4~14日
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