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2014年スマホ広告市場規模、前年比1.6倍の3,000億円超に【CyberZ調査】

 CyberZはシード・プランニングと共同で、「2015年スマートフォン広告市場動向調査」を実施した。本調査では、スマートフォン広告を「検索連動型広告」「ディスプレイ広告」「成果報酬型広告」の広告商品に分類して年間スマートフォン広告出稿額を推計し(対象期間:2014年1月~2014年12月)、市場規模予測を算出。また今回は新たに、昨年末より広告主の出稿ニーズが拡大した「ネイティブ広告」の市場規模予測を算出した。

2014年スマートフォン広告市場規模は3,000億円超に

 2014年は、国内におけるスマートフォン端末の普及率が過半数に達し、ユーザーのインターネット利用は、PCからスマートフォンへ本格的にシフトした。ソーシャルメディアをはじめ、eコマースや、動画・ゲームに代表されるデジタルコンテンツ等においては、スマートフォン経由の利用がPCを上回るケースが顕著になりつつある。また、スマートフォンの特性を活かした広告媒体や広告フォーマットの登場により、スマートフォン向け広告商品の多様化が進み、広告主のスマートフォンにおけるプロモーション環境は大きく改善した。これらを背景に、広告主のスマートフォン広告需要は前年同様に急速に拡大し、2014年のスマートフォン広告市場は、前年予想時の2,304億を大きく上回る3,008億円(対前年比162%)となった。

スマートフォン広告市場の商品別内訳/ディスプレイ広告が大躍進

 2014年のスマートフォン広告商品別市場規模は、検索連動型広告市場が1,200億円(前年比140%)、ディスプレイ広告市場が1,648億円(前年比193%)、成果報酬型広告市場が160億円(前年比109%)となった。最も成長率が高いディスプレイ広告市場が全体に占める構成比は、前年の46%から54%へ拡大した。

検索連動型広告

 2014年も引き続き順調な需要増加がみられたが、検索1回あたりの広告出稿額に伸び悩みがみられ、2013年までの成長率と比較すると、伸び率が緩やかになりつつある。今後は、ユーザーのインターネットにおける消費行動に対し、PCとスマートフォン、あるいはWebとアプリとの使い分けを的確に捕捉し、これに対応した広告主の投資配分をより的確に行えるかどうかが、検索連動型広告需要が持続的な成長をする上で必要となると予想される。

ディスプレイ広告

 国内外のゲームデベロッパーのプロモーション需要に加えて、eコマース、金融など従来のPCインターネット広告向け大手広告主による、PCからスマートフォンへの予算シフトが進むとともに、大手ソーシャルメディアが提供する新たな広告フォーマットや、動画広告のほか、フィード型のネイティブ広告など、広告商品の拡充が進んだ。このような状況を背景に、ディスプレイ広告の単価水準に上昇傾向がみられた。ユーザーのスマートフォンメディアの視聴が増加していることを背景に、アドネットワーク広告も前年に引き続き好調に増加し、さらにPCが中心であったDSPによるRTB広告配信在庫にも広がりがみられた。

 ソーシャルメディア広告に関しては、ユーザーの属性や嗜好、興味関心などに応じたきめ細かなターゲティング広告の配信が可能であることから、広告主の出稿が急増。ソーシャルメディア広告が全体に占める割合は昨年より大幅に増加した。また、動画広告は、ソーシャルメディアやニュースキュレーションアプリなどからの提供が本格的に開始され、スマートフォン広告手法における選択肢が広がりつつある。

成果報酬型広告

 成果報酬型広告は、ゲームデベロッパーのプロモーションタイトル数が増加した一方で、一部の広告商品において単価の下落が見られた。このため、市場規模の増加は緩やかになっている。一方で、動画フォーマットの広告商品や、ターゲティング手法を取り込んだ広告が新しい需要を取り込みつつある。

話題のスマートフォンネイティブ広告市場、2015年には大幅に拡大か

 2014年には、スマートフォン広告提供事業者の多くが、ネイティブ広告と銘打った広告商品の提供を開始した。また、ネイティブ広告の掲載先として、ニュースキュレーションアプリなどがスマートフォンならではの新しいメディアとして注目を集めた。ネイティブ広告は、従来のディスプレイ広告に次ぐ新しいスマートフォン広告の提供形態として今後普及していくことが予想される。2015年には大手事業者による参入も予想されることなどから、広告主の出稿ニーズは急速に拡大する見込み。

 「ネイティブ広告」の定義や、健全な提供形態に関するあり方については、業界内外で様々な議論がなされている。ユーザーに嫌われない広告商品がどうあるべきかという命題の元、デジタルマーケティング業界の議論を踏まえた、既存広告商品の再定義が必要であるという色彩が強く、今後も変化していくことが考えられる。これらを踏まえて、今後も継続して市場の拡大とともに変化が進むことが予想される。

2015年のスマートフォン広告市場を予測する

 2015年も引き続き、インターネット広告市場におけるPCからスマートフォンへの予算シフトとともに、国内外のゲーム会社やeコマース、金融など広告主の出稿ニーズは拡大し、高い成長率が見込まれる。広告主のユーザーデータを活用したターゲティング精度の向上や、広告表現技術の進展などにより、スマートフォンユーザーを対象としたオンラインマーケティングがより高度化し、動画広告やネイティブ広告など新しい広告商品の拡充が、市場全体の活性化に寄与することが予想される。

 広告商品別では、検索連動型広告が1,440億円(前年比120%)、ディスプレイ広告2,291億円(前年比139%)、成果報酬型広告172億円(前年比107%)と予測する。2015年は、スマートフォン向けの広告商品ラインナップの拡充や、PC向け広告とのクロスチャネルによる最適化された広告配信技術が普及し始めることにより、広告主のスマートフォン広告出稿ニーズが順調に増加するだろう。

 検索連動型広告市場は、ユーザーの検索利用の増加を背景に市場の成長は継続するものの、成長率は緩やかになると予想される。ディスプレイ広告市場は、前年に引き続きソーシャルメディア広告やネイティブ広告、動画広告の需要拡大などを背景に、高い成長率を維持し、スマートフォン広告市場の成長をけん引すると考えられる。成果報酬型広告は、ゲームデベロッパーからの根強い需要のもと、動画広告やターゲティング広告などの普及により、堅調な推移をする見込み。

2016年にはネット広告市場の55%をスマホ広告が占める見込み

 スマートフォン広告市場は、2016年以降も成長率は緩やかになりながらも、ユーザーのインターネット上の消費行動における更なる比重の高まりや、オンラインとオフラインを横断するマーケティングチャネルとしてその重要性が高まることなどを背景に、持続的な成長を維持すると考えられる。この結果、市場規模は2016年に4,737億円に達し、インターネット広告市場全体の55%に達する見込み。

【調査概要】
調査主体:CyberZ
調査時期:2014年11月~2015年1月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:デジタルインファクト(シード・プランニング)

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2015/02/18 16:00 https://markezine.jp/article/detail/21954

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