2014年第3四半期はYDN、プレミアムDSPが好調
2月4日の第3四半期決算説明会で、代表取締役社長・CEO 宮坂学CEOが発表を行なった。2014年度第3四半期(2014年10月~12月)の売上高は1075億円(前年同期比4.7%増)、営業利益499億円(0.3%増)となった。四半期売上高の成長推移を見ると、eコマース新戦略の影響が一巡し、売上高成長率が改善。2014年度通期見通しとしては、将来の財務基盤を強化するため、営業利益では減益となるものの当期利益では増益になるとしている。
第3四半期の広告関連売上高は621億円(5.4%増)。うちディスプレイ広告は、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)、Yahoo!プレミアムDSPが好調で248億円(19.2%増)。検索連動型広告はPC経由の売上高が減少して372億円(2.1%減)となっている。
Yahoo!プレミアムDSPは大手広告主約180社が利用しており、売上高は前四半期比60%以上増加。ビデオ広告は動画視聴者数、再生回数が前年同期比約2倍。テレビ番組見逃し配信トライアル実施を3局に拡大し、売上高は前年同期比2倍以上となった。
また、第3四半期スマートフォン広告の売上高は212億円で、スマートフォン広告売上高比率は23.7%から34.2%となった。今後は、スマホ向けリッチ広告の取り組みを強化し、「Yahoo!リアルタイム検索」に広告枠を設置する予定だ。ただし、宮坂氏はスマートフォンの成長が成熟期に入りつつあることも指摘。引き続き注視していくと語った。
スマートデバイスシフトは第2段階へ
Yahoo! JAPANは100以上サービスを提供しているが、上位20サービスのDUB(Daily Unique Browser)とMUB(Monthly Unique Browser)いずれもスマートフォン経由のアクセスの増加によって順調に推移。また、iOSとAndroidアプリ累計ダウンロード数は2億4000万DL。今後は、Yahoo! JAPANトップページのタイムライン化を今春リリースし、個人に最適化する。
またゲームパブリッシング事業についても発表があり、1月に設立したGameBankを通じて、スマートデバイスにおけるゲームサービスの展開を加速する。
質疑応答で宮坂氏は、今後はスマデバ(スマートデバイス)シフトの第2段階に入ると語り、スマートフォンでもYahoo!は使われるようになったが、次はそれに見合ったマネタイズを追求するため、新たな手法を開発。今後は「アプリ」と「収益面」でスマートフォンシフトを目指すと語った。
成長を牽引する広告商品は時代とともに変化する。現在好調のYDN、プレミアムDSPの次にくるものをつくる際、「基盤になるのはデータ」だ。100以上のサービス、高いシェア、多くのユーザーを抱えるYahoo! JAPANは「日本のユーザーを一番知っている会社」という自負がある。月間600億PVという膨大な数字はユーザーの意思決定にもとづいている。これを受け止めて有効活用し、新しい広告商品をつくっていくことになる。
ゲームパブリッシング事業の開始については疑問視する声も上がったが、「アプリで圧倒的に使われているのはゲームであり、これからも伸びる。ここに張らないということはありえない」と取締役副社長 川邊健太郎氏。ゲームのトレンドはこれからカジュアルゲームから本格的なゲームへ、そしてネットワーク型のゲームへと変わる。こうしたゲームをパートナーシップや海外からゲームを持ってくることで成長させると語った。
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