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イベントレポート

機会にあふれた今こそ、顧客との新しい関係構築を─ Marketing Cloud担当CEOキーノート


 米セールスフォース・ドットコムは米国時間6月16日から3日間にわたって「The Connections 2015」をニューヨークで開催した。

 「The Connections 2015」は世界最大規模のマーケティングイベント。本イベントではMarketing Cloudの最新情報、活用事例などがマーケターやパートナーに共有された。オフィシャルの発表では3日間の参加登録者は15,000人以上になったという。

 17日の10時から行われたキーノートには、Marketing Cloud担当CEOのスコット・マッコークル氏が登壇。マッコークル氏はセールスフォース・ドットコムが2年前に買収したExactTarget社でテクノロジーと戦略を統括していた人物。セールスフォース・ドットコムの傘下に入ったこの2年間でMarketing Cloudのビジネスを発展させてきた。

 キーノートの中で同氏は「コネクション(つながり)」「カスタマージャーニー(ブランド・製品・サービスに対して、すべてのタッチポイントおよびチャネルを通じて発生する顧客との全インタラクション)」など今後のマーケティング領域で重要になるキーワードを繰り返し強調。モバイル、ソーシャル、クラウド、データサイエンスといった4つのテクノロジーシフトにより、環境が劇的に変化しつつある中、顧客との新しい関係作りに注力していくべきだとし、現状について次のような見解を示した。

Marketing Cloud担当CEOのスコット・マッコークル氏
Marketing Cloud担当CEOのスコット・マッコークル氏

 「企業はすべてのタッチポイントおよびチャネルで顧客体験を向上させることが求められています。加えて顧客とつながり、関係を維持していくことが企業にとって最重要課題になっています。今はまさにデジタルマーケターにとって夜明け前だと言え、チャンスがあふれている状況とも言えます」

 さらに、マッコ―クル氏は「顧客中心のマーケティングを実現したいというこのようなニーズに対して、Marketing Cloudが大きな役割を果たしている」とし、ガートナー社の調査でも他社に比べ速いスピードでの成長を遂げているという結果を示した。

 続いて、Marketing Cloudのアップデートについて紹介された。今回強化された機能は「Eメール」「ジャーニービルダー」「広告配信」の3点だ。今回のアップデート以外にストックされているアイデアは多数にのぼり、今後もスピーディーに機能追加を行っていくという。

 キーノートの後半では、アクイジション、セリング、オンボーディング(新しい顧客や見込み客を、商品・サービスに適応させるプロセス)、エンゲージメント、アドボカシー(「擁護」「支持」といった意味)という5つのパートにおけるMarketing Cloudの活用事例が紹介された。プレゼンテーションで紹介された事例先は、マクドナルド、フィットネス機器メーカーPRECOR、玩具メーカーMATTEL、家具メーカーRoom&Board、ジュエリーメーカーALEX AND ANIという業種が異なる5社。

 オンボーディングのパートで紹介された玩具メーカーMATTELは、デジタル環境の浸透に伴い子供がおもちゃで遊ぶ行為自体に変化が起きているという課題を感じていた。そこでMATTELではECサイトで商品購入をした顧客の注文メールでアプリへのダウンロードを促す、ダウンロードをしたかどうかのデータを収集し最適なメール配信を行うといった施策や、購入したミニカーのパッケージの裏のQRコードからダウンロードすると同じ車種でゲームが楽しめるという施策などを展開。もともと抱いていた課題を出発点とし「購入して終わり」の関係性ではなく、顧客視点でのカスタマージャーニーを考え、実際のおもちゃで提供できる体験とデジタル上で提供できる体験を相互に連携・補完させた。Marketing Cloudを活用しこうした顧客との関係構築を実現できているという。

 エンゲージメントのパートで紹介された、家具メーカーRoom&Boardも顧客の変化を感じていた。現在の顧客はリアル店舗/オンライン店舗といった区別する意識を持たなくなりつつある。そういった顧客行動が当たり前になる中で、同社は「自分のために品物を揃えている」という体験を顧客に感じてもらいたいという目的があった。そのため同社はMarketing Cloudを活用し、過去の注文履歴に基づいた商品の提案、個々に最適化されたパーソナライズメールの配信などの施策を推進し、30%以上の売上増を実現したという。

 他の紹介された事例でも共通しているのが、デジタル環境の浸透によりユーザー側がオフライン/オンラインといった境目を意識しなくなっていることから、企業側もオフライン/オンラインといった境目を作らずに顧客視点でのカスタマージャー二ーを考え、関係構築および維持に注力している点だ。過去に経験したことがない変化が進行している中、カスタマージャーニーの捉え方を変え顧客中心のマーケティングを実現していくことが、企業の成長にとって不可欠となっている。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2015/06/20 05:17 https://markezine.jp/article/detail/22650

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