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「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

アドビ宣伝担当に「おそ松さん」。一夜で1万リツイート超え ~人気アニメコラボの舞台裏を探る

 アドビシステムズは、学割セールのプロモーションに人気テレビアニメ「おそ松さん」のキャラクターを起用し、Twitter限定オリジナルムービーを公開した。1本目のムービーが配信されるやいなや、一夜のうちに10,000リツイートを突破し、話題を集めている。同社で本件を担当する鈴木依子氏に企画の背景や人気アニメコラボのポイントを聞いた。

学生を中心にファンの間で一気に拡散

 アドビシステムズ(以下、アドビ)は、アドビのクリエイティブ製品すべてを使える「AdobeCreativeCloud」の学生・教職員向け学割セールを実施。そのプロモーションに、人気アニメ「おそ松さん」のキャラクターを起用し、アドビ学生向けTwitterアカウント(@AdobeStudentsJP)にてオリジナル限定ムービーを公開した。同時に、リツイートした人の中から抽選で商品が当たるキャンペーンも開催している。

 テレビアニメ「おそ松さん」は赤塚不二夫生誕80周年記念作品として制作され、「おそ松くん」の主人公である六つ子が成長して大人になった姿を描く。六つ子はそれぞれ個性的な性格で、全員がニートだ。演じる声優陣の豪華さも手伝い、「社会現象化」と言われるほどの人気ぶりを見せている。

 「おそ松さん」のキャラクターが学生に呼びかける形で作られたアドビのプロモーションムービーは、3月3日の第1話配信を皮切りに、不定期で全7話の公開が予定されている。第1話のムービー配信後、わずか17時間で10,000リツイートを超え、アドビ学生向けTwitterアカウントのフォロワー数も一気に4,000人以上増加した。セールの認知拡大としては、過去最大の成果が上がっているという。今回、このプロモーション施策を担当したアドビの鈴木依子氏に企画の背景や、企業と人気アニメとのコラボのポイントを聞いた。

――今回の企画の背景はどのようなものだったのでしょうか。まず、配信先としてTwitterを選んだ理由からお教えください。

鈴木氏:学割セールということで、当然学生さんにリーチしないといけないわけですが、今は個人の興味も分散していますし、ある特定の層に向けて効果的にアプローチできる媒体というのはありません。ですが、Twitterには「学生(同級生)同士」や「クリエイティブに興味を持つもの同士」といった繋がりが存在しています。そのため、似たような趣向性を持つ人たちに口コミで広がることが期待できますし、アドビ製品との親和性の高さもあると判断し、Twitter限定公開という形にしました。

アドビシステムズ株式会社 マーケティング本部 デジタルメディア 学生・教育市場担当 鈴木依子氏
アドビシステムズ株式会社 マーケティング本部 Creative Cloud個人マーケット部
マーケティングマネージャー 鈴木依子氏

“上から目線”にならない魅力がある「おそ松さん」

――「おそ松さん」でいくということは最初から決まっていたのでしょうか。

鈴木氏:いえ、企画検討は昨年の12月頃からはじめていましたが、その時点では芸能人や他のアニメ作品も候補に挙がっていました。私自身も「おそ松さん」のタイトルやその盛り上がりは耳にしていましたが、実際に視聴したことはありませんでした。

――そんな中、「おそ松さん」を選択した理由とは?

鈴木氏:多くのユーザーさんの支えによって、アドビのブランドイメージはすでに確立したものがあります。ブランドがもたらす信頼感により、アドビ製品を選んでいただいていることも多いでしょう。ただ、新たにユーザーになっていただきたい学生の方の場合、ブランドイメージの強さを敷居の高さとして受け止められていることもあります。学生さんの場合、Photoshopを学校などで触ったことがあったり、製品名は知っていたとしても、実は検索すらしてもらえない状況にあるのです。普通にセールの案内をしても、なかなか目に留めてもらえません。

 一方、プロユーザーの方からは「学生のうちに学割でアドビ製品を買って勉強しておけばよかった」といった声がよく聞かれます。それを代弁し、学生さんたちにセール情報を届けるのに最適な人は誰かと考えました。そこで白羽の矢が立ったのが「おそ松さん」でした。学生さんからも人気があり、身近に感じてもらえるキャラクターだったからです。芸能人やプロを含めた大人からの“上から目線”にならないのではないかという期待を持てたのです。大人になった「おそ松さん」は学生ではありませんが、ニートという設定です。それがある意味、社会人とは違う、自分たちに身近な存在として受け止められているのではないでしょうか。しかも、「おそ松さん」をアドビの宣伝担当に就任させることで、その意外性でブランドイメージをお持ちの方にも「あれ?」と思っていただけますし、ファンの方からは「ニートを卒業か!?」と話題を呼べるのではないかと企画しました。

 また、今回の企画を行っている学生向けTwitterアカウントのフォロワーさんを見渡してみると、アニメ作品のアイコンを使っている方が多いことは前々から認識していました。さらに、そのアイコンも昨年から「おそ松さん」を使ったものが増えてきたことに気づき、「これはイケる」と思った次第です。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長 大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/14 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24059

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