AdRollは、6月30日、日本のプログラマティック(運用型広告/データに基づくリアルタイムでの自動広告枠買い付け)に関する白書『State of the Industry~プログラマティックマーケティングの現状(日本編)』を発表した。
本白書は、プログラマティックによる広告施策および効果測定の有効性を周知することを目的に、広告戦略立案・運用などに日常的に携わる200人の日本のマーケターを対象に、第三者調査機であるマクロミルの協力のもとAdRollが実施。統計データは、AdRollが毎日広告配信において処理している150TB以上のデータの統計を引用している。
マーケティング活動が企業の事業成長の直接的な牽引役を担う今日、マーケティング部門には、健全な広告施策評価と適切な予算配分の遂行が求められている。本白書では、日本のマーケターが、企業の売上高における増分(インクリメンタルリフト)」を生み出すために、プログラマティックをどう活用しているかを調査した。
例えば、「マーケティングで成功を収めるためにはアトリビューションが不可欠、あるいは重要」と回答した日本のマーケターは39%だったが、全体の64%のマーケターが「アトリビューションについて知らない」、また「トラッキング方法や測定方法について理解していない」と回答。顧客の購買行動をアトリビューションの観点を踏まえて正確に把握し、効果的な指標(KPI)によってマーケティングキャンペーンを測定、最適化していくことは、データに基づいたマーケティングの基礎だが、今回多くのマーケティングの現場でアトリビューショントラッキングや分析が行われていないことが明らかになった。
一方、プログラマティックへの取り組みとしては、2015年時点で日本のマーケターの26%がオンライン広告予算をプログラマティックに充てており、51%が2016年もその予算の維持する、または拡大する予定と回答。さらにマーケターの30%がプログマティック広告運用の投資利益率(ROI)は従来のメディアバイイングでの運用よりも高いと評価していた。
さらに、日本のマーケターが最も大きな割合のマーケティング予算を配分しているのは新規顧客獲得施策だった。これは米国と同様の傾向だが、米国では新規顧客獲得に成果が出ているマーケティングチャネルの第3位としてプログラマティックが評価されていた。一方、日本では第5位となっており、日本のランキング上位はいまだ従来チャネルによる施策が占めていた。
本白書から、日本にもプログラマティックの時代がすでに到来し、プログラマティックを活用したマーケティングの重要性が確実に高まっていると同時に、マーケターが困難に直面していることが明らかになった。
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