2016年12月の各動画利用者数(上位5アプリを集計)をみると、無料動画は前年同月から23%増え3,338万人(リーチ56%)、有料動画は50%増え481万人(リーチ8%)だった。どちらの増加率も、スマートフォン全体の増加率(+14%)よりも高くなっていた。
年代別にみると、無料/有料動画ともに若くなるにつれてリーチ%(※)が高くなる傾向が見られた。無料動画は50歳以上でも約半数が利用している一方、有料動画は18-34歳でリーチが10%だった。
※リーチ%:リーチとは、特定のWebサイトもしくはアプリがある期間内にどれだけの人に利用されたかを示す値。対象となる全インターネットユーザーに対する比率で示される媒体の到達度のことをいう。
次に、1人あたりの月間利用回数をみると、無料動画は月平均21回で、有料動画の14回の1.5倍多く利用されていた。一方、1回あたりの利用時間では、有料動画は平均して1回あたり25分視聴されており、無料動画の15分よりも10分長くなっていた。
この結果について、同社のシニアアナリストの高木史朗氏は次のような見解を示している。
「注目すべき点は、NHK放送文化研究所による国民生活時間調査で近年テレビ視聴の減少が指摘されている若年層で、動画アプリのリーチが高くなっている点です。すでに多くの企業が無料動画を活用していますが、動画アプリはテレビCMではリーチできない若い世代とコミュニケーションをとるのに適したメディアであると言えます。今回はスマホアプリのみに注目しましたが、テレビやPC、タブレットなどでの動画視聴もあるため、企業が消費者とコミュニケーションをとっていく上では、トータルでの視聴状況を把握したうえで、最適なデバイスやメディアの組み合わせにより、ターゲットにリーチしていくことが重要です」。
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