アプリの総利用時間は前年比20%以上増
2016年に、全世界のアプリの総利用時間は前年から1500億時間以上増え、9000億時間近くに達した。これはAndroidフォンユーザーの場合、1日あたり平均約2時間をアプリ利用に費やす計算になる。総利用時間はほとんどの国が前年比で20%以上増え、米国は約25%の増加があった。
2016年に全世界のAndroidフォンで実際に利用時間を大きく伸ばしたカテゴリーは、「通信」「ソーシャル」「動画プレーヤー&エディタ」の三つ。この3カテゴリーの中で利用時間の増加に貢献したアプリは、Chromeブラウザ、Facebook、YouTubeの三つだった。
年間ダウンロード数は900億件超え
2016年は世界のアプリのダウンロード数も2015年とほぼ同じ軌道を描いて増加した。その結果、iOS App StoreとGoogle Playを合計したダウンロード数は前年から130億件以上増加し、年間ダウンロード数は900億件を超えた。
牽引したのは2015年と同じく、新興国での成長が著しいGoogle Playだ。また、同様にiOS App Storeのダウンロード数の増加も前年を上回った。iOS App Storeの成長を主に牽引したのは中国で、同ストアのダウンロード数増加分の80%近くを占めた。
両ストアともに、ゲームよりも非ゲーム系アプリがダウンロード数の増加に貢献した。特にダウンロード数を伸ばしたカテゴリーは、iOS App Storeが「ファイナンス」「旅行」「写真/ビデオ」で、Google Playが「仕事効率化」「ツール」「ソーシャル」だった。
ダウンロード上位カテゴリーにみる「市場の成熟度」
App Annieは、iOS App StoreとGoogle Playの上位カテゴリーの違いが、成熟度の違いを大まかに反映していると分析する。つまり、AndroidはiOSと比べて新興市場にとりわけ普及しており、そのような市場の新規ユーザーは、「必須」アプリ(「ソーシャル」カテゴリーのメッセージングアプリや「ツール」カテゴリーのセキュリティアプリなど)をダウンロードすると予想される。
一方、iOSは先進国市場の割合がより高く、そのような市場では、既にほとんどのユーザーが必須アプリをダウンロード済みだ。そのため、ダウンロード数の増加の大部分が、より人々の生活に根ざした、ファイナンス、旅行、写真/ビデオといったカテゴリーの専門的なアプリによって占められるというわけだ。
収益年間成長率は前年比40%増、牽引役は中国
2016年には、iOS App StoreとGoogle Playを合わせて350億ドル以上の収益がパブリッシャーに支払われ、年間成長率は40%にのぼった。iOS App Storeは2016年に収益を50%近く増やし、収益トップのプラットフォームとしてリードを拡大した。
ダウンロード数と同じく、収益の増加も主に牽引したのは中国で、年間収益の増加分の半分近くを占めた。収益をリードしたのは圧倒的にゲームで、2016年はiOS App Storeのアプリストア総収益の75%、またGoogle Playのアプリストア総収益の90%をゲームが生み出した。iOS App Storeでは、ゲームのサブカテゴリーである「ロールプレイング」だけで2016年のアプリストア総収益増加分の半分を占めた。
成熟市場ではダウンロード数横ばいも、利用状況とマネタイズは増加
一方、市場が成熟するとダウンロード数の成長率は横ばいになることも明らかになった。米国、ドイツ、日本などが挙げられる。だが、3か国とも依然としてダウンロード数自体は極めて大きく、先進国市場は、新規インストール数が高い水準で安定しているといえる。また、総利用時間と収益についても3か国ともに引き続き増加している。
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