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ショートフィルムでブランドの理解促進 「ネスレアミューズ」に学ぶオウンドメディア戦略

2017/03/01 10:00

 「ネスカフェ」や「キットカット」をはじめ、誰もが日常的に親しんでいるブランドを数多く展開するネスレ。認知度100%といってもいいブランドが目下の課題として見据えるのは「ブランドの世界観を伝えること」だと、ネスレ日本でオウンドメディアを担当する出牛誠氏は語る。2010年に立ち上げたオウンドメディア「ネスレアミューズ」の戦略から、直近のantenna*でのPR施策まで、ネスレと顧客との距離を縮めるための取り組みを聞いた。

コミュニケーションとECの場「ネスレアミューズ」

MZ:ネスレといえば、日本でも多くの人が子供のころから身近に接しているブランドを数多く展開されています。デジタル施策にも早くから注力されているとのことで、今回はブランディングにおける考え方や現状の成果をうかがいます。まず、今の主な展開を教えていただけますか?

出牛:当社のデジタル施策の中心になっているのは、2010年に立ち上げた「ネスレアミューズ」というオウンドメディアです。各ブランドサイトやキャンペーンサイト、エンターテインメントコンテンツなどがあり、同じ年にスタートさせたネスレ通販オンラインショップも、柱になっています。コミュニケーションとECの両方の要素を併せ持ったプラットフォームと位置づけて運営しています。

ネスレアミューズ

 会員登録をすれば、サイト内で使えるコインやショッピングポイントを貯めたり使ったりできます。これをフックに、コンテンツ間の回遊や長い滞在を促しています。

MZ:2010年ということは、もう7年目なんですね。現在の規模はどの程度ですか?

出牛:2017年1月末時点で会員は500万人を超えました。当社では個別ページのPVではなく、訪問してから離脱するまでのセッション数を指標のひとつにしていますが、これも年間で約7,000万セッションとなっています。この数年は、やはりユーザーの動向を受けてスマホシフトに力を入れており、現状では50%以上の人がスマホからアクセスしています。ファーストデバイスになったといえますね。

継続的に接点を持てる場、かつECへ誘引する場

MZ:当時は、どういった課題があったのでしょうか?

出牛:2010年ごろは、コミュニケーションの手段がオフラインからオンラインに変わりつつある時期でした。まだPCブラウザが中心でしたが、この先モバイルが主流になる兆しはありましたし、変化の速度は増していくだろうと。そのスピードに後れを取らず、むしろ少し早いタイミングで変化を取り入れて、生活者にフィットしたコミュニケーションプラットフォームになっていくことが課題でした。

ネスレ日本株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ本部
デジタルマーケティング部 出牛 誠氏

 それに、新しいデバイスや手法が出てきても、少し経たないと残るかどうかわからなかったりもします。なので、生活者に定着したものを残しながら、継続的なコミュニケーションを図れる場、かつ同時期に開始したECサイトへ来ていただくのに間口が広がる場が必要だと考えました。

MZ:確かに、その後デバイスもコンタクトポイントもどんどん拡大しましたし、変化の速度はますます速くなっていますね。

出牛:ええ。なので、自社プラットフォームだけで生活者の動きを捉えるのは難しいとも思っています。たとえばYouTubeにも動画コンテンツを置き、観られる機会を増やしてそこから誘引するのも大事な導線のひとつです。SNSも活用していますし、スマホシフトの一環で、Webアプリも用意しています。

 オンラインの存在感が増していても、もちろんテレビをはじめとするマスメディアが重要な役割を果たすコミュニケーションもあるので、デジタルに留まらず、目的やKPIによって手段を選ぶことが重要だと思っています。


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