ビカムとデジタルインファクトはデータフィード広告(※1)市場の共同調査を実施し、その結果を発表した。データフィード広告の市場規模は2016年に前年比約5割増の649億円、2017年は前年比約4割増の894億円と予測。
データフィードとは、企業の商品データなどを、第三者の媒体や広告システムにおいて利活用することを目的に、相手方の仕様に合わせてデータを供給すること。本調査では、データフィードを活用した動的なクリエイティブや配信ロジックにより自動最適化されるデータフィード広告の流通総額を市場規模(※2)として推計・予測を行っている。
2016年データフィード広告の市場規模は前年比約5割増の649億円
2016年におけるデータフィード広告の市場規模は、前年比49%増の649億円となった。広告商品別の内訳は、ディスプレイ型広告が前年比48%増の511億円、検索型広告が前年比52%増の138億円。大手広告配信企業が提供する広告商品を中心に、引き続き順調な需要拡大が進んでいる。背景として、ダイナミックリターゲティング広告を中心とするディスプレイ型広告の需要が引き続き順調に拡大したこと、商品検索や求人検索などの検索結果に基づいて配信する検索型広告の需要も伸長したことが挙げられる。
2017年における市場規模は、前年比38%増の894億円。広告商品別の内訳は、ディスプレイ型広告が前年比38%増の703億円、検索型広告が38%増の191億円と予測される。2018年には1,090億円、2020年には1,507億円にまで伸びるものと見られる。
出稿する広告主の主な業種カテゴリーは、EC、人材、不動産、旅行など
データフィード広告を主に利用する広告主は、オンラインで情報やサービスを提供し、かつ膨大な商品・サービスリストを持つ、EC企業や人材・不動産情報を提供するメディア企業、そして旅行会社などだ。
今後もEC企業が中心となり市場の成長をけん引するも、動画や電子書籍などのデジタルコンテンツを提供する企業をはじめ、データフィード広告の利用のすそ野がさらに広がることが予想される。
配信先は一般サイトから検索サイト、ソーシャルメディアなどへ多様化
データフィード広告の配信先は、大手広告プラットフォームの配信先である、ポータルサイトやニュースサイトなどの一般サイトが中心となっているものの、今後は検索サイトやソーシャルメディアなど、配信先の多様化がさらに進むことが予想される。このため2016年時点のデータフィード広告の配信先は一般サイトの比率が77%を占めているが、2020年には67%に低下すると予測される。
データフィード広告の利用においては、広告主企業による広告配信に適した商品データ情報の整備や、広告主サイトと広告プラットフォームとのシステム連携など、導入時における準備手続きに時間を要するのが現状。また、高頻度で更新されるECサイトの商品データと広告に表示される商品データとの時間差が生じるなどの現象も一部において見られる。
しかしながら、広告配信プラットフォームやデータフィード事業者による、広告主への負担を軽減する仕組み作りやサポート体制、そしてサービスの技術が進歩することにより、データフィード広告は広告主の投資金額の多寡を問わず幅広い層へと普及することが見込まれる。また、商品データ以外の様々なデータとの連携により、よりユーザーの属性や嗜好、行動に沿った最適な広告コミュニケーションをするための手段として活用されることが期待される。
※1:アフィリエイト広告を除く。
※2:広告主が支出する広告費を対象として、市場規模を算出。
【調査概要】
調査対象:国内ネット広告関連事業者(広告代理店、広告配信プラットフォーム、
媒体社、データフィード事業者)
調査方法:ヒアリング調査、ビカムおよびデジタルインファクトが保有するデータの活用、
公開情報の収集
調査期間:2016年12月~2017年2月
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