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今おさえておくべき米国BtoBマーケ界10のトレンド 外部データ活用からSNS&顧客DBの名寄せまで


 かつて渡米して出会ったマーケターに「日本企業の製品や営業の質はすばらしい。でもマーケティングの機能がないから、僕らアメリカの企業が勝たせてもらっている」と聞かされ衝撃を覚えた、と振り返るのはシンフォニーマーケティングの庭山一郎氏。以後日本のBtoB企業へのマーケティング支援に取り組んできた庭山氏が、このたびアメリカの著名なBtoBマーケターで同社のアドバイザーでもあるルース・スティーブンス氏を日本に招いた。本稿では、スティーブンス氏が登壇したプライベートセミナーから「アメリカBtoBマーケティング界における10のトレンド」を紹介する。

アメリカBtoBマーケティング界における10のトレンド

 最初に指摘しておきたいのは「営業チームが顧客の購買プロセスに対するコントロールを失いつつあること」です。現代の顧客はオンラインでプロダクトを調べて、購買の意図を固めた段階でセールスに電話してくることも少なくありません。

Ruth P. Stevens(ルース・スティーブンス)氏
Ruth P. Stevens(ルース・スティーブンス)氏

 顧客の購買プロセスにおいてオンライン行動の占める割合が増えている以上、コンテンツマーケティングはBtoBマーケティングにとって欠かせない要素になっています。

 最新のBtoBマーケティングは、BtoCのマーケティングとは違うし、以前のBtoBマーケティングとも異なるものになっていることを、まずおさえたいと思います。

 さらにいえば、コンテンツマーケティングの形も変化してきています。コンテンツの一部をソーシャルメディアで流通させたり、検索で見つかるようにしたりすることが必要です。顧客にコンテンツに触れてもらい、信頼してもらい、一緒に仕事をしたいと思ってもらうのが大切です。

 それでは、アメリカでのBtoBマーケティングにおける10のトレンドを紹介していきます。

トレンド1:インタラクティブコンテンツ

 すでに89%のBtoB企業がコンテンツマーケティングを行っています。当然、企業が作るコンテンツはコモディティ化して、差別化が難しくなります。同様にして、顧客企業のバイヤーの側も、情報の洪水の中でどのコンテンツを読んだら良いのかわからなくなっています。

 潜在顧客をひきつけるためには、クリエイティブなアイデアが必要なのです。その1つがインタラクティブコンテンツ。単にケーススタディや調査報告書をまとめるだけでなく、よりエンゲージメントができる双方向的で対話的なコンテンツが脚光を浴びています。たとえば、クイズ、コンテスト、投票などです。

 3つの例を紹介します。1つ目は、従業員が社用で車を使う際のコスト発生を抑制できる管理ツールを提供しているRunzheimerの事例です。コンテンツマーケティングの一環として、同社のサービスを使うとどれだけコストカットできるか試算ができるコンテンツを提供しています。

 2つ目の例は、動画制作ツールを提供しているVidyard。ミレニアル世代風の青年がビデオを通してサイト訪問者に話しかけるコンテンツを提供しています。動画制作ツールを実際に使ってみせているんですね。このビデオを見ていると、ポップアップが出てきて、リード情報を取る仕組みです。

 3つ目は、Mosaicという化学肥料メーカーによる、謎解きコンテストを使う例です。二人の農家が主人公で、なぜ収穫量が他の畑より少ないのかに迫っていくストーリーをポッドキャスティングしていきます。毎週あたらしいエピソードを配信して、謎解きに正解すると商品がもらえる仕組みです。ミステリー系人気ポッドキャスト「CASEFILE」のフォーマットを踏襲しているんですね。

トレンド2:営業とマーケの連携が深まってきた

 調査によると、営業とマーケの関係は良くなってきているようです。

77%の営業はマーケティング活動で作られたリードの質が優れていると回答し、80%の営業はマーケティングと協力できていると回答
77%の営業はマーケ活動で作られたリードの質が優れていると回答し、80%の営業はマーケと協力できていると回答

 ちなみに……日本ではどうですか?(会場に笑い起こる)

 図のように、少なくともアメリカでは希望の持てる数字が出てきています。マーケターに好意を持ち、リスペクトを払う営業が増えてきています。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/12/05 10:04 https://markezine.jp/article/detail/27514

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