若年層のトレンドやインサイトを分析するマーケティング研究機関「TT総研 -Teens Trend総研-」(ティーティーソウケン)は9月10日、「10代のスマホサービストレンド」に関する意識・実態調査の結果を発表した。
TwitterやInstagramも「連絡ツール」として活用
最初に「連絡をする際に使用するツール」について尋ねたところ、回答者の約90%にあたる284名が「LINE」と答えた。また、「Twitter」や「Instagram」などの回答も多く、フィードの閲覧・投稿といったSNSとしての利用だけでなく、メッセージ機能などによる連絡ツールとしての利用も広まっていることが明らかになった。
上記定番ツールの他には、学生限定アプリ「ひま部」やゲーマー向けのチャット「Discord」などを連絡ツールとして使用しているという声が挙がった。これらのサービスの特徴から、10代には他の世代が入ってこられない、限定的なコミュニティーに居心地の良さを感じていることが推測される。
「勉強用」のSNSアカウントも増加中
続いて、日常的に利用する「SNSサービス」を調査。順位こそ異なるが、連絡ツールで挙げられた3サービスがここでも票を集める結果となった。チャットサービスである「LINE」は、10代にとってはSNSという認識が強いようだ。
SNS活用法としては現在、「勉強専用アカウント」が普及している。学習の記録や勉強法を投稿することで、同じように勉強に取り組む同世代とつながりモチベーションアップを図るというものだ。その影響で、学習管理のためのプラットフォーム「Studyplus」や、海外の人とつながって語学学習ができる「HelloTalk」をSNSとして活用する10代が増加している。
動画部門では、YouTubeが圧倒的な支持を獲得
次に、動画を中心とするサービスを「マルチメディア系」とし、日常的に使うサービスを尋ねたところ、最多の回答を集めたのは「YouTube」だった。テレビCMなどを展開し、話題を集める「TikTok」は3位にランクインした。
YouTubeやニコニコ動画などのポータル系サービスの他、複数の回答を集めたのはゲーム実況アプリ「Mirrativ」や音楽SNS「nana」。単なる動画ではなく、ジャンル特化型の動画サービスが一部のユーザーで多く利用されていることがわかった。
他にも、「TVer」や「AbemaTV」、「Netflix」などの動画配信サービスも一定の支持を得た。今の10代は、動画コンテンツが身近にある環境で育っていることから、放送時間に縛られずに動画を視聴することが当然と考える傾向にあるようだ。
ライフスタイルアプリでは、写真加工系のアプリが上位にランクイン
カメラアプリなどを含む「ライフスタイルアプリ」のシェアを調べたところ、自撮り加工が楽しめる「SNOW」とフリマアプリの「メルカリ」がほぼ同数となった。次いで支持を集めたのは、同じく写真加工アプリの「B612」だった。
同部門では、スケジュール管理からアパレルECまで様々なジャンルのサービス名が挙げられた。注目すべきは「LIPS」「LUCRA」「ST Channnel」といった女性向け情報発信サービス。それぞれピンクをメインカラーとしたアイコンになっているが、与える印象は様々だ。
「ミレニアルピンク(10代後半~20代を中心とした世代が好む、幅広いバリエーションのピンク色)」というワードが生まれるなど、若年女性はピンクに対して繊細な感性とこだわりを持っている。そうした女性たちの細やかなインサイトを読み取りながら、情報発信サービスもメディアコンセプトやアイデンティティを細かく設定する必要があるようだ。
アニメや漫画を起点としたゲームタイトルが人気を集める傾向に
最後に、「日常的にプレーするゲーム」について調査。最も多くの回答を集めたのはバトルロワイヤルゲーム「荒野行動」だった。
他にも、アニメ・ライトノベルで人気を博した「Fate」シリーズの「FGO(Fate/Grand Order)」や、同じくアニメ・漫画・小説などでブームを巻き起こした「ラブライブ!」シリーズの「スクフェス」といったタイトルが票を獲得した。
これらはアニメや漫画などを起点としたもので、こうしたメディアミックス作品のタイトルが支持を集める傾向にあるようだ。今の10代にとってスマホゲームは、自分が好きなコンテンツストーリーをより楽しむための娯楽という位置づけになっている模様だ。
【調査概要】
調査対象:15~19歳の男女315名
調査期間:2018年5月17日
調査方法:「LINE Research Platform」を活用したスマートフォンリサーチ
【関連記事】
・CA Young Lab、10代インフルエンサーへの商品サンプリングサービスをリリース
・コンビニのキャッシュレス決済普及率は約3割/スマホ決済は10代に浸透【ジャストシステム調査】
・10代の「Tik Tok」認知率は7割越え/YouTube広告への印象に変化【ジャストシステム調査】
・10代女子に流行中?「Tik Tok」の人気クリエイターを活用したプロモーションプランが登場
・「SNSに週1回以上、動画投稿する」10代が前年比の1.6倍に【ジャストシステム調査】