新型コロナウイルスがマーケティングに与える影響とは?
MarkeZineの調査プロジェクト「MarkeZine RESEARCH」では、2020年4月22日から5月6日にかけてアンケート調査「新型コロナウイルス感染拡大がマーケティングに与える影響」を実施し、597件の回答を得ました。その集計結果を以下ご紹介します。
Q1. 勤務先の業種
回答者の勤務先としては「事業会社」が48%で最多となり、「広告会社」13%、「マーケティング支援会社」11%、「ソリューションベンダー」9%、「フリーランス」6%が続いています。
Q2. 勤務先の業態
回答者の勤務先の業態としては「BtoB」が71%で最も多く、「BtoC」24%、「CtoC」1%となっています。
Q3. 現在の勤務状況(環境)
現在どのような環境で業務を行っているのかについては、「在宅勤務(リモートワーク、テレワーク」が64%で最多となり、「在宅と出社の組み合わせ」22%、「オフィスへ出社」9%が続いています。
Q4. 新型コロナウイルスの感染拡大で「売上減少」77%
新型コロナウイルスの感染拡大が自社の売上にどのような影響を与えるかについては、「売上が減少」が77%で最多となりました。一方で「売上への影響はない」9%、「売上が増加」5%といった回答も見られました。
売上については、自由回答で以下のような声が寄せられましたた。
「プラス、マイナスで、影響は少ない」
「リアル店舗は全店休業、ECは在庫前年比200%オーバーで推移」
「一時的に下がっているが、落ち着いたあとは増加しそう」
また、以下のように先行きの変化に不安を抱えるコメントも見られました。
「仮に売上水準を維持できたとしても、その売上を維持するために支出する新型コロナウイルス対策関連費用に売上が食いつぶされるおそれがある」
「今は大した落ち込みはないが、今後、案件のクロージングが長期化すると予測している」
「新規受注もあるため売上は担保できるが、既存案件の停滞により利益が大きくマイナス」
その一方で「売れるアイテムを切り替えて、特需に対応」という声もあり、多くの企業で現状の売上の変化と今後の見通しを踏まえて対策に動いている様子がうかがえます。
Q5. 新型コロナで「新たなビジネスチャンスが生まれた」30%
新型コロナウイルスの影響によってどのような変化が起きているか、また対応を迫られているものは何かをたずねたところ、「顧客との商談・打ち合わせをオンラインに移行」が70.3%で最多となりました。続いて「予定していたプロジェクトや施策の中止・変更」64.5%、「顧客とのコミュニケーションやメッセージの見直し」59.0%となっています。
自由回答では「運転資金の新たな調達」「賃金の見直し」といった厳しい内容も見られました。しかし、その一方で「新たな需要・ビジネスチャンスが生まれた」という回答は30.0%に達しています。
Q6. 広告予算の「変更なし」36%、「減額」は29%
広告予算の変更を検討しているかについては、「予算に変更はない」が36%で最多となった一方、「広告予算を減らすことを検討している」29%、「広告予算の配分変更を検討している」19%となったほか、「広告予算を増やすことを検討している」という回答も4%見られました。
Q7. 新たに導入・活用を検討しているツールやサービス
新たに導入や活用を検討しているツール・サービスについては、「特にない」が39.0%で最多となりました。一方、具体的なツール・サービスを見ると「オンライン会議サービス」が33.7%で最も多く、「動画配信サービス」が20.1%で続いています。
自由回答では「対顧客よりも社内の対応が優先となっている」という声もあり、「VPNの増強」や「契約書類の電子化サービス」「電子印章」なども挙がっています。
Q8. 今後、取り組みたいのは「オンラインでの営業・商談」
続いて、今後取り組みたいものについてたずねたところ、多い順に「オンラインでの営業・商談」38.3%、「オンラインセミナー」37.5%、「動画配信」28.9%、「SNSでの情報発信」27.7%、「オウンドメディアでの情報発信」23.7%、「メールマーケティング」22.2%が続いています。
Q9. 今後重要なのは「デジタルでの顧客コミュニケーション」
最後に、新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、今後のビジネスにおいて重要なことをたずねると、最も多かったのは「デジタルにおける顧客とのコミュニケーション」58.9%で、これに「状況の変化への素早い対応」56.2%、「顧客との関係性強化」50.1%、「デジタルでの営業・クロージングの強化」46.4%が続いています。
この他に自由回答では、「在宅勤務におけるメンバーの評価方法」「個人個人の業務定義、業績評価の厳格化、公平性の確保」といった在宅勤務を前提とした評価制度の見直しや「新しく入社する人材の教育方法」が課題として挙がっています。さらに「ブランド戦略の見直し」「経営者層のITリテラシーの向上。セキュリティに関する正しい知識と判断力」などの回答も見られました。
これからは、日本国内においても次第に経済活動が再開される見通しが出ていますが、事態がどう変化するかは今後も予断を許さない状況です。MarkeZine RESEARCHでは、これからもその変化を追っていきたいと思います。
調査主体:株式会社 翔泳社 MarkeZine調査プロジェクト「MarkeZine RESEARCH」
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:MarkeZineメール会員、翔泳社SEiD会員
有効回答数:597件
調査期間:2020年4月22日(水)~5月6日(水)
※百分率表示は四捨五入のため丸め計算を行っており、合計が100%とならない場合があります。
【MarkeZine RESEARCHとは】
MarkeZineの調査プロジェクト「MarkeZine RESEARCH」では、マーケティングに携わる多くの方々の声を集めて、現在の課題や今後のマーケティングの方向性などを明らかにするレポートを発表しています。 ◎マーケティング最新動向調査 2020
◎デジタル広告市場の最新潮流と現状動向分析調査