トライベックの調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、BtoBサイトのビジネス貢献度を評価する「BtoBサイト調査2021」の結果を発表した。
調査手法はインターネット上のアンケート調査。有力企業200サイトについて製品・サービス分野別に抽出したBtoBターゲットユーザーより回答を得たもの。
1位は15年連続でオムロン(制御機器)
ターゲット(該当する製品・サービスの購入関与者)に占めるニーズ充足者の割合は、オムロン(制御機器)が56.8%で15年連続トップとなった。次いで三菱電機(FA)が56.0%、キーエンスが48.2%とFA(制御機器等)分野のサイトが上位に並んだ。
上位には自社製品とIoT技術を融合した課題解決型ソリューションについて具体的な活用事例や成果を紹介しているサイトが多く見られた。また、昨年19位から10位にランクアップしたダイキン(法人のお客様)は、換気、空気関連などウィズコロナ時代のニーズに対応するコンテンツを分かりやすく提供している。
なお、ニーズ充足度は「アクセス率×ニーズ充足率」によって算出。アクセス率はターゲットのうち過去1年以内に業務目的でアクセスした人の割合。ニーズ充足率はアクセス者のうちニーズが充足された人の割合。
ニーズ充足率の上位はドキュメントソリューション、医療機器
一方、「ニーズ充足率(アクセス者に占めるニーズを充足した人の割合)」ランキングではセイコーエプソン(ビジネス用)が87.3%でトップとなり、日立ハイテク(電子顕微鏡・医用機器・ライフサイエンス製品)、凸版印刷が続いた。
上位にはドキュメントソリューションや医療機器分野のサイトが多く並んだ。また医療機器分野のサイトは前回調査と比べ大幅に順位が向上している。
なお、ニーズ充足率は過去1年以内に業務目的でサイトにアクセスした人のうちニーズが充足された人の割合。
評価の鍵は急速な変化への対応力
ニーズ充足率で昨年79位から3位にランクアップした凸版印刷は“Digital & Sustainable Transformation“を基本方針として掲げ、「印刷テクノロジー」をベースとした「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の3つの事業分野を軸にそれらを融合したDXソリューションを提供している、同社が運営する総合ソリューション紹介サイト「TOPPAN SOLUTION」では、それらのサービスが動画などを交えて分かりやすく紹介されている。
同じく、昨年106位から7位に大幅に順位が向上したテルモ(医療関係の皆さま向け情報)は医療関係者向けに「感染対策専用サイト」を開設し、コロナ関連情報を幅広く紹介している。
どちらのサイトもコロナ禍やそれに伴うDX化の加速といった社会情勢の変化にすばやく対応しユーザーが求める情報を的確に提供しているといえる。また、今回調査では、現状のユーザーの課題をタイムラグなくすくい上げ、ニーズに沿った情報をタイムリーに発信しているサイトが高い評価を得る傾向が見られたという。
非対面コミュニケーションの取り組みが活性化
コロナ禍により対面での商談や展示会が制限される中、動画による製品・サービス紹介やWeb展示会の活用も進んでいる。ニーズ充足率2位となった日立ハイテク(電子顕微鏡・医用機器・ライフサイエンス製品)は「Webで行く展示会ハイテクEXPO」(会員制)を通じて製品紹介動画やセミナー動画を配信し、より詳細な情報を求めるユーザーのためにオンライン打ち合わせの受付窓口を開設している。
【調査概要】
調査時期:2021年4月7日~4月21日
調査方法:インターネットを通じたアンケート調査
回答者プロフィール:BtoBの製品・サービス分野(14分野)別に抽出した製品・サービス購入関与者
有効回答数:7,600人
調査対象サイト数:200(14分野)
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