帝国データバンクが「BtoBマーケティングのデータ活用に関するアンケート」を実施した。ここでは組織体制や取り組み、データ活用・マネジメントの実態について結果の一部を抜粋して紹介する。
評価指標、業績への貢献がわかりやすいものが上位
マーケティング活動に対する評価の指標は「マーケティング部門経由の受注数」が36.4%と最も多く、「営業・インサイドセールスへ送客した見込み顧客件数」が33.9%、「マーケティング部門経由の受注金額」が30.7%と続いた。
達成チームは数字に基づいた戦略を打ち出す土台がある
評価指標の達成状況は、「概ね達成できている」と「どちらかといえば達成できている」を合わせると16.8%だった。「ほとんど達成できていない」と「あまり達成できていない」の合計割合のほうが37.5%と高い結果であり、マーケティングの成果が見づらいことも要因のひとつと考えられる。
達成チームは「ターゲット企業数および自社シェアを把握している」が32.6%と、未達成チームの1.7倍だった。企業数のみの把握まで含めると74.3%がターゲット市場規模を把握してた。達成チームは数字に基づいた戦略を打ち出す土台ができているといえる。
マーケティング用データベースの構築が必要
自社が保有する企業数、リード数の把握状況については、達成と未達成では2倍以上の差があった。
顧客の数を把握できなければ、ターゲット選定やホワイトスペース発掘、数値に基づいた戦略立案ができず、場当たり的なマーケティング・営業活動になってしまう恐れがある。
マーケティング用の顧客データベース構築についても達成チームと未達成では2倍以上の差があった。
データベースがなければ、自社の顧客数の把握が困難だけでなく、顧客情報の蓄積やシステム間の連携ができないなどの問題が起きるため、インフラとして構築するべきだと帝国データバンクは見解を示す。
組織的な取り組みが成果につながる
「インサイドセールスを設置しており、効果を感じている」は達成チームが29.7%と未達成チームの5.8倍だった。
ABM(アカウントベースドマーケティング)については「実践しており、効果を感じている」は達成チームが14.5%と未達成チームの6.6倍だった。
進歩の余地があるデータ活用
コロナ禍において顧客へのアプローチ方法や業務プロセスを変える必要性を多くの企業が感じただろう。アンケートでも、それを表すかのように今後取り組みを強化したいこととして、3割近くが「顧客データのデジタル化」「データを活用するためのツール・システム連携」と回答した。
顧客情報のデジタル化を進めるには、自社情報は当然ながら、外部データを紐づけることで顧客情報をリッチにすることが可能だ。
「自社顧客情報を外部データベースと紐づけて活用している」は達成チームが28.6%と未達成チームの1.5倍と、達成チームのほうが外部データを活用できている様子がうかがえる。
だが見方を変えれば、7割以上が紐づいていない・活用できていない状態であるといえる。マーケティングの成果を高めていくために、インフラとなるデータを整備したうえで、外部データとの紐づけやシステム間連携をすることでデータ活用進歩の余地は多いにありそうだ。
【アンケート概要】
BtoBマーケティングのデータ活用に関するアンケート
期間:2021年2月4日(木)~2月28日(日)
方式:Webアンケート方式
回答数:1,652件
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