SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineニュース

電通は“テレビっ子”体質をどう変革するのか?―岐路に立つ広告界の巨人

 電通が11月に発表した第2四半期の連結決算では、売上高と売上総利益が前年比で5%前後のマイナス、営業利益と経常利益は25%前後のマイナス、四半期純利益は43.8%減という厳しい結果となった。電通は2008年の年初から、今年を「変革の年」と位置づけてさまざまな改革に取り組んできたが、景気後退の波はそれを覆うほど大きかったようだ。

 電通は毎月、電通単体の売上高を発表しているが、これを2007年1月から2008年10月までまとめたのが以下のグラフ。電通全社、テレビ、マス4媒体合計、インタラクティブメディア、OOH(Out Of Home:屋外・交通広告)メディアを抜粋している。これを見ると決して明らかな右肩下がりとなっているわけではないのだが、電通の危機感は高まっている。

電通単体売上高の推移
(電通全社、テレビ、マス4媒体合計、インタラクティブメディア、OOHメディアを抜粋)

 以下の表は、同じく電通の単体売上の発表から、各媒体ごとの前年比を抜き出したもの。ブルーが前年比100%以上、オレンジが120%以上を表している。これを見ると、前年割れはマス4媒体に多いことがわかる。2007年の雑誌、2008年に入ってからのラジオは、前年割れが続いている状態だ。一方、インタラクティブメディアやOOHメディアは2007年ほどではないが成長を続けている。

電通単体売上高の前年比 (2007年1月~2008年10月)

 しかし、上の表ではインタラクティブメディアやOOHメディアが大きく成長しているように見えるのだが、電通全体で見るとこれらのメディアが占める割合は非常に小さい。以下のグラフは最新の10月度の単体売上の構成比を示すものだが、テレビの売上が46.2%なのに対して、インタラクティブメディアは1.4%、OOHメディアは2.7%にとどまっている。

 電通が毎年発表している「日本の広告費」では、インターネット広告費は2004年から、1,814億円、2,808億円、3,630億円、6,003億円と成長を続けているのだが、最初の折れ線グラフでもわかるように、電通単体のインタラクティブ広告の売上にそうした変化は見られない。

電通平成20年10月度単体売上高

 また、2007年の日本の広告費全体にテレビが占める割合は約28%であることを考えると、電通の売上に占めるテレビの比重はやはり大きい。そのテレビ業界は、10月、11月に行われた民放各局の決算発表で、スポット広告の不振などにより厳しい決算が相次いだ。日本テレビ放送網とテレビ東京は赤字、TBSとテレビ朝日は減益となっている。

 電通は年初に発表したとおり、社内体制の改革、国内外で提携や買収など、グループ全体で対策を実行している。しかし、景気の後退やマス4媒体の落ち込み、視聴者のテレビ視聴形態の変化、さらには2011年の地上デジタル放送への移行で、テレビ自体も大きく変化しようとしている。電通の変革は今年だけでは終わりそうにない。

【関連記事】
電通ホールディングスUSA、米広告会社マックギャリー・ボウエンを買収
電通、第2四半期の純利益は前年同期比43.8%減
電通、業績予想を下方修正

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2008/11/19 10:30 https://markezine.jp/article/detail/5920

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ


イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング