デジタルサイネージは、薄型フラットパネルの低価格化、配信ネットワークの多様化、パッケージソフトの開発などによって、設置コストや運用コストが実用レベルに達してきたことから、ここ数年で30~50%の成長を見せている。シード・プランニングは、2008年の8月から10月にかけて行った調査の結果をもとに、広告・販売促進向けデジタルサイネージの将来性に着目して分析を行った。
発表された資料によると、2008年のデジタルサイネージの国内市場規模は約560億円。その内訳は、ハードウエア・通信関連が311億円、表示コンテンツ関連が248億円となっている。
同調査では、デジタルサイネージビジネスが、最も期待される広告・販促分野において順調に成長した場合、市場規模は2015年には1兆円を超える可能性があると試算。2008年時点ではハードウエア系の比率が高いが、2011年には比率が逆転し、2015年には市場全体の約6割がソフト系、4割がハードウエア系になると推定している。
顧客セグメントにあった広告をタイムリーに露出することができるデジタルサイネージの特性が認知されれば、今後は既存のアナログ看板・ポスター・POPなどをリプレースする可能性がある。しかし、デジタルサイネージが広告媒体として認知されるためには、効果測定手法の開発や指標づくりなどの課題がある。今後、業界全体でこれらの課題に取り組み、新しいメディアとしての地位を確立する必要がありそうだ。
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