ベネッセ次世代育成研究所は、2006年11月・2007年6月に妊娠期だった夫婦401組を対象に、子どもが1歳前になるまで、生活や意識がどのように変化したのかを追う、第1回「妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査」を実施した。
この調査では、子育てをめぐって、夫と妻とでは意識にさまざまな違いがあることが明らかになった。子育てに自信がないと感じる時期は多くの夫婦が経験しているが、「子育てへの自信」が何から生まれるのかについて分析したところ、妻は「充実した出産体験」が、夫は「生まれた直後から子どもに多く関わること」が子育てへの自信につながるという。これを裏付けるデータとして、1日8時間勤務で、1日の就業時間が11時間以上(月間の残業時間が60時間程度)の夫の場合、11時間未満の夫より、子育てに「自信がない」と答える割合が高いという結果が出ている。
しかし、夫の半数は「仕事が忙しすぎるので、子供と過ごす時間が少ない」と感じており、子どもが病気の際には、妻が遅刻・早退・欠勤をするという場合が圧倒的に多くなっている。また、「夜泣きがひどい」「住宅の間取りが悪く、家事や育児がしづらい」「自分のための時間を確保するのが難しい」など、調査を行った12項目すべてで、妻のイライラ度は夫よりも高くなっている。
また、夫婦間の愛情の変化について調査したところ、「配偶者といると本当に愛していると実感する」と回答した妻は、妊娠期では71.3%、0歳児期では41.6%と、29.7ポイント減少している。一方、夫は妊娠期では73.6%、0歳児期では61.8%で、11.8ポイントの減少と妻よりも減少幅は小さくなっている。
愛情の低下は見られないのは、夫が家族と一緒に過ごす時間を作ったり、子育てに参加するなどの努力をしている夫婦となっており、男性はよりいっそう子育てに対するスタンスを問われる時代となりそうだ。
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