「キーパーソンに会えない」迷路の全体マップ
「キーパーソンに会えない」と感じたとき、多くの営業の方は同じアプローチを繰り返しがちです。
「もう一度お電話してみよう」
「もう少し丁寧にフォローしよう」
──しかし、同じ打ち手を繰り返すだけでは状況は変わりません。
なぜ変わらないのか。それは、「いま自分がどこで詰まっているのか」が見えていないからです。
迷路の中にいると出口が見えず混乱しがちですが、全体を俯瞰できれば、「ああ、ここが行き止まりだったのか」「この抜け道を通れば先に進める」と見通しが立ちます。
本書でご紹介する「落とし穴のマップ」は、まさにその全体を俯瞰するための案内図です。
落とし穴にはまってしまうとなかなか抜けられません。一方で、落とし穴に落ちることなく進むことができれば、出口にたどり着けます。
「キーパーソンに会えず提案活動が停滞しそう」になっても、いまどの状況なのかがわかれば、対策が立てられます。逆にいえば、状態がわからないまま動くと、的外れな打ち手を繰り返してしまうのです。
冒頭のエピソードでいえば、「Aさんが別部門のキーパーソンに話を持っていくことに心理的負担を感じている」という状態がわかったからこそ、「Aさんの負担を減らす形でB部長の周辺に情報を届ける」という的確な一手が打てました。
状況を特定する力が、法人営業における迷路を攻略するための武器になります。
このマップは、1つの問いから始まります。
「目の前の方は、キーパーソンがどの人物かを知っているか?」
ここから大きく3つの方向に分岐し、さらに枝分かれして、全部で9つの落とし穴が存在しますので、はまらないよう注意しましょう。
9つの落とし穴
落とし穴(1)キーパーソンを知らない
(1)キーパーソンを確認するやり方が見えていない
落とし穴(2)~(6)知っているのにつなごうとしない
(2)( 目の前の方が)提案の価値を理解できない
(3)つなぐ行動に時間が取れない
(4)自分を飛ばしたやり取りになるのを避けたい
(5)つなぐことでマイナス評価を受けたくない
(6)つなぐ先に複数の人物候補がいて迷っている
落とし穴(7)~(9)キーパーソン本人が拒否している
(7)( キーパーソンが)提案の価値を理解できない
(8)打ち合わせの調整や準備に時間をかけたくない
(9)他の課題に集中したい
9つの落とし穴を見る前に、改めて確認しておきたい点があります。
「キーパーソン=最終決裁者」とは限りません。社内推進者がキーパーソンになることもあれば、決裁者への影響者が事実上のキーパーソンということもあります。
さらに、購買プロセスの段階によってもキーパーソンは変わり得ます。課題認識の段階では現場の利用者がキーパーソンかもしれませんし、ベンダー比較の段階では予算の監督者がキーパーソンになるかもしれません。
こうした前提を持った上で、「いまこの落とし穴にはまっていないか」を確認していただきたいと思います。

