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MarkeZine Day 2026 Autumn

カスタマーサクセスという仕事

AI時代、CSの役割はどう変わるのか。イタンジ×カケハシが語るVSaaSにおける“人の価値”

AIに任せる業務と、人間が担う「コアバリュー」の切り分け

——生成AIの普及により、CSの現場業務も変化しています。AIと人間の役割分担について、お二人のお考えをお聞かせください。

植松:問い合わせ対応やQ&A、マニュアル案内といった定型作業は、AIで十分完結する時代になりました。現在、私が業務整理の中で意識しているのは、「AIだけで完結する仕事」「AIが一次処理を行い、最後に人が判断する仕事」「人が主体となり、AIがサポートに回る仕事」の3つの分類です。

 「AIだけで完結する仕事」を増やすことで処理スピードが圧倒的に上がります。スピードのボトルネックになりがちな「作業」をAIに渡すことで、人間は「合意形成」や「現場の意識変革」といった、人間にしかできない業務に集中できるようになります

中川:生成AIが普及する以前、当社のCSは店舗の閉鎖手続きや契約変更、オプション追加といったオペレーション業務に多くの時間を割かれていました。しかし、そういったオペレーションがAIで自動化されたことで、CSは「経営者の思考パートナー」として、本来向き合うべき本質的な価値提供に集中できるようになりました。

 相手が経営者であれ現場のスタッフであれ、私たちが向き合っているのは「人間」です。「業務を変えよう」「やってみよう」と思っていただけるように働きかけ、現場のマインドセットそのものを変えていくことは、AIには不可能です。人の心を動かして意識変革を生み出す、より高度なコンサルティング領域へシフトしている実感があります。

「現状維持バイアス」を乗り越えるのは、人間の熱量と伴走力

——AI時代において、顧客の成果を左右する「人が介在する価値」とは具体的にどこにあると思われますか?

中川:私たちが日々戦っている最大の敵は、競合他社ではなく「現場の現状維持志向」です。「今のままでいいや」「新しいものを取り入れるのが面倒」という感覚は、自分たちも含めて、人間なら誰しも持っている自然な感情ですよね。

 その現状維持志向を乗り越えて現場に変革を起こすには、単にツールの使い方を教えるのではなく、働く人の「想い」に火をつけるアプローチが不可欠になります。

 たとえば薬局の薬剤師さんは、日々医療の最前線で素晴らしい付加価値を提供しているにもかかわらず、患者さんから直接感謝される機会が少ない職業でもあります。そこで私たちのCSは、オンボーディングの際に「なぜ薬剤師になったのか」という仕事の原点・アイデンティティに立ち返る対話からスタートします。

 プロダクトを導入することを通じて、薬剤師さんが患者さんに感謝され、自分の仕事に誇りを取り戻していく。オンボーディングの最後には、顧客とCSがお互いに涙を流しながら感謝を分かち合うようなシーンも生まれています。ここまで深く泥臭く寄り添い、変革をともに歩む「パートナー」としての立ち位置は、最後まで人間に残る領域だと思います。

植松:おっしゃる通りですね。頭では「正解」や「正しいやり方」を理解できても、自力で行動に移せる人は2割程度しかいません。英会話やジムの継続と同じで、人間は弱い生き物なので誰かが寄り添い、背中を押してくれないと変われないのです。

 特に私たちが向き合っている不動産業界は、ITリテラシーが高い方ばかりではありません。ただ、「IT」と「生成AI」は本質的に異なります。生成AIの時代になり「喋る」「写真を撮る」といった直感的な操作でシステムが使えるようになり、ITのハードル自体はAIが劇的に下げてくれるようになりました。

 「AIが必要なのは理解できているけれど、自社の業務にどう組み込めばいいかわからない」。そうしたお客様の現場に入り込み、業務への最適化を教えて背中を押すのがCSの役割です。伴走を通じて現場の業務が変わり、お客様から直接「ありがとう」と感謝の声をいただけることこそが、CSにとって一番のやりがいになります。「そのデータを使って業務をどう変えるか」というストーリーを語り、相手の心を動かすのは、どこまでいっても人間の役割なのです。

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AI×CSで実現する「超高速プロダクト開発」とデータ活用

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2026/09/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/77491

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