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AI時代のエンタープライズ営業を加速させる新方程式

エンプラ開拓を変える顧問連携。「依頼」から「相談」へ、約1,000名の顧問と向き合った実践から語る

「当事者であり第三者」だから引き出せるもの

──具体的には、どのようなコミュニケーションに切り替えたのですか。

 「この企業につないでください」とお願いするスタンスから、「この業界のこの企業に対してこういう戦略で挑みたいのですが、どう思われますか」と相談する形へと変えました。顧問様は、長年大手企業で意思決定を重ねてきた「買い手視点」を持つ存在です。誰が本当の決裁者で、どこで話が止まるのか。戦略を練る段階から知見をお借りすることで、入り口そのものが変わりました。

 同時に、社内では「紹介数は相談数に比例する」と言っています。何回お願いしたかではなく、何回ご相談したかで決まるのです。

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──実際の商談やアカウント開拓においては、具体的にどのように協力していただくのが理想的なのでしょうか。

 社内では一緒に戦略を練る当事者になっていただきつつ、お客様の前では「第三者の立場」でいていただく。この二枚看板が非常に重要です。

 営業担当が当事者として主観で製品の価値を語り、顧問様が第三者として客観的な視点を添える。この構図があるだけで、同じ内容でも信頼性は格段に高まります。

 反対に、顧問様まで売り手側に回ってしまうと、お客様は身構えます。「紹介した手前、ニーズを引き出したいのだろう」と受け取られた瞬間、返答は「現状、特に問題はありませんよ」で終わってしまう。しかし顧問様が第三者としての立場から問いかけると、「実はコスト面が最終的なネックで……」と、本当の理由が出てくるのです。顧問様に自社製品を売り込んでいただくのは、避けたほうがよいと思います。

──商談機会の獲得以外にも、顧問の方々の知見が活きる場面はあるのでしょうか。

 むしろ商談設定そのものよりも、事前の情報収集と商談後のフォローでこそ真価を発揮します。

 Webにも決裁資料にも載らないキーパーソンの真の関心事や、なぜ稟議が止まっているのかという本当の理由。こうしたことは、売り手が訪ねても出てきません。第三者の立場だからこそお話しいただけるものです。

 また、通常の新規開拓は窓口へのアポイント、担当との商談、再訪、上席との商談、さらに再訪と、決裁者にたどり着くまでに何工程も重ねます。この工程の数だけ、失注する可能性があるのです。顧問様とご一緒すると、決裁者と直接お会いしたうえで検討状況まで把握できる。工程が減れば、失注が生まれるポイントも減ります。通常であれば失注していた案件を、再検討の土台に残すこともできるようになります。

受注後こそが本番。長期戦として経営層と合意を

──受注後の顧問の方々との関わり方や、「顧問施策」に対する評価についてはどのようにとらえると良いでしょうか。

 当社では顧問様の支援領域を「案件創出」「受注」「受注後」の3つで捉えています。最初の領域だけをお願いするケースが多いのですが、当社の実感では、効いてくるのは後ろの2つでした。初回契約は一部門にとどまることがほとんどで、全社への拡張時には同じ壁を、より上位の決裁者に対してもう一度越えなければならないからです。

 加えて、受注した瞬間に顧問様との契約を終了してしまうと、せっかく開いた口座が再び閉じてしまうことすらあると言われています。顧問様のお名前で開いた扉は、顧問様のお名前で閉じる。お客様は当社ではなく、その方の信用を見て取引を始めてくださっているからです。

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 また、大前提としてエンタープライズ開拓は成果が出るまで年単位の時間がかかります。経営層に投資対効果を説明する際も、初回の受注金額だけで評価するのではなく、LTVやアップセル、グループ会社への波及まで含めた年単位のロードマップを示し、「何年で何の指標を見るのか」を先に合意しておけると安心です。

 この時間軸が握れていないと、成果が出る手前でプロジェクトごと止まってしまう。評価指標を決めることは、施策を守ることでもあるんです。

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現場への関心が高い顧問に「自社のファン」になってもらう

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この記事の著者

高橋 愛里(編集部)(タカハシ アイリ)

新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。SalesZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/10/07 07:00 https://markezine.jp/article/detail/77599

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