1999年4月に厚生省(現厚生労働省)が電子カルテを認め、2001年の貸付金制度、2002年の補助金制度により電子カルテ市場が立ち上がったものの、伸び悩んでいた病院向け電子カルテだが、ここにきて導入が広がっている。
病院向け市場では、2008年の電子カルテ普及率は推定17.8%。825施設ある大規模病院(400床以上)の普及率が高いが、今後納入の伸びが期待されるのは、4596施設ある中規模病院(100~399床)で、今後の市場規模は900億から1100億円と推定される。
診療所向け市場では、2008年の電子カルテ普及率は推定13%。新規開業の約70%(都市部ではほぼ100%)が電子カルテを導入している。全国10万件の既存診療所・既存開業医のうち、未導入の8万7千件がターゲットとなり、今後は、眼科、精神科向け等の診療科別製品も期待されることから、市場規模は120億から160億円と順調に推移する。
歯科診療所向け市場(レセプトコンピュータ含む)では、2008年の電子カルテ・レセコン導入率は約82%(約56,000施設)で、新規開業の歯科診療所ではほぼ100%導入されている。2011年のレセプトオンライン義務化で需要のピークとなり、その後はリプレース需要がメインとなりそうだ。
また、PACS(医用画像ネットワークシステム)の2008年の市場規模は461億円。2008年診療報酬改訂のフィルムレス加算の影響で、病院・診療所ともに急速に市場が拡大し、市場は500億円規模で推移する。
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