SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineメールマーケティング特集(AD)

広告もサイトもメルマガもチラシ感覚が大切
旅行会社大手「H.I.S.」のメルマガ戦略

メールマガジンをチラシ的に活用し、間接効果を狙う

 認知媒体としてマスメディアなどを利用して広範囲に展開し、サイト内ではLPOを行ってユーザーが最も求めている情報を提供し、成長を続けるエイチ・アイ・エスのWebサイト。流入数では純広告や検索連動型広告の効果が高いが、最も高い費用対効果をあげているのは既存顧客を対象にしたメールマガジンで、現在、「東京」「札幌」といった発着地別の7種類と、「ビーチ」や「アジア」「スカイウォーカーカード会員向け」といったテーマ別の7種類、計14種類のメールマガジンを配信している。

「初回配信は2003年にさかのぼります。運用していくうちに、文章をしっかり読ませる完成度の高いコンテンツよりも、いわゆるチラシのような内容の方が、お客様の心をつかむことが分かってきました。サイトのトップページもチラシ風になっていますが、メールマガジンも現在では同じような体裁です。ツアーや航空券などは買い続ける商品ではないので、いざ旅行に行きたいときに思い出してもらって、メールマガジンやWebサイトをチェックしてもらうような使い方をしています」

 メールマガジンの目的は、フェアやキャンペーンの周知と、その時々のおすすめ商品の紹介。そのため、テレビCMや紙媒体とそろえた、価格や日程などの情報のみをダイレクトに伝えるチラシ風なデザインを採用している。商品の購入はECサイトだけでなく店舗や電話でも良いという、リアル店舗を各地に展開する同社ならではの間接効果を狙った取り組みだ。配信日程を決めていないのも、フェアの時など商品をおすすめしたいタイミングで配信するという、まさしくチラシと同じような形式でメールマガジンを活用しているためだ。

PC版(左)とモバイル版(右)のメールマガジン
PC版(左)とモバイル版(右)のメールマガジン

PCとモバイルで、性質が異なるメールマガジン会員

 PC版とモバイル版両方のメールマガジンを提供している同社だが、特にモバイル版の会員は、お得な商品に反応する傾向が強く、配信後即座に反応があり、成約にも結びつきやすいという。そのため、特典を用意するなど会員獲得も積極的に行っている。しかし反応が良い分、ユーザーの目はシビアでごまかしがきかず、苦心する一面もあるようだ。

 一方、PC版の場合は会員獲得の施策は特に実施していないが、濃いユーザーが集まっている。

「PC版の会員は旅行の流れをよく知っている方が多いようです。例えば、純広告を見てWebサイトに来訪するお客様よりも、PC版の会員の方が成約する時期が一か月程度早い傾向があります。人気の出発日などは特に、ギリギリになって申し込むと席がなくなることをよく理解されているようですね」

格安商品が気持ちを盛り上げ、併売商品の売上アップ

 現在、エイチ・アイ・エスでは、さらにメールマガジンの効果を高めるため様々なテストを実施しながら、効果検証を行っている。試行錯誤を続けるなか、 顕著に表れているのが、『野球の“優勝セール” 』など特別セール通知の号外メール内で、格安商品を掲載した際、併売商品の売上が大きく向上するという効果だ。

「開封率やクリック率はあまり変わりませんが、成約率で高い数値が出ています。通常のメールマガジンでは10~20個の商品を掲載していますが、号外メールでは3商品程度の掲載。しかも、すべて電話での受付のみの商品で、安価ですが出発日に制限があり、オンライン予約には結びつきづらいと考えられるものでした。

その商品自体も、かなりの数のお申込み頂きましたがそれだけではなく、号外メールを経由したお客様が、オンラインで予約できる通常の商品を購入するという効果がありました。お客様の旅行に行きたい気持ちを、号外メール内の3商品が盛り上げて、他の商品に流れていったのだと思います」

 格安のフェアでは出発日に制限のある商品もあり、ユーザーは自分が行けない日程の場合、自分の都合に合う他の商品を探して予約する傾向にある。メール内の目玉商品でユーザーの旅行に行きたい気持ちを盛り上げ、さらにランディングしたページでそのユーザーのニーズに合った他の商品を提案できるかが売上アップのポイントであり、より良いサービスという考えだ。

次のページ
MailPublisherの導入で運用フローを改善

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
MarkeZineメールマーケティング特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2010/11/29 13:00 https://markezine.jp/article/detail/8893

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング