佐々木俊尚氏の記事に対して考えさせられたこと
面白かったし、考えさせられたので。
マスメディアとインターネットの対立関係は、どこへ向かうのか(佐々木俊尚氏)
一番最初に邪推だけしておくと、佐々木俊尚氏のポジション自身が、ネットに侵食されるマスメディアという問題意識(危機意識)を煽る記事を書くことで、ネットに遅れてきたマジョリティ相手に金を取る大道芸人をしているのだから、そう書かざるを得ないという側面はあるかもしれないという点。一応、大幅に割引したうえで。
掴みのところで「そう考えれば、記事を無料化して広告モデルで収益を上げていくというのは、戦略としてはきわめて正しいと言わざるを得ない」と書いている。そうかもしれない。例えば、読売新聞における読広みたいなものもネット時代に戦略子会社化していくことになるのだろうか。
R25が伸び悩んでいるように見える理由
WSJならまだ差別化の要因も大きいし、そもそも母数があるので100万人を捨てて1,000万人を取りに逝くマードック流のスタイルもありかもしれない。じゃあ雑誌を主力とする出版社はどうなってしまうのだろうか。記事中、GIGAZINEに触れられていて、あれだけのPVがあっても赤字っていう話があって、GIGAZINEが喰っているのはどう考えても雑誌を読んでいた層だろうから、薄い流行記事や時事で金を取ることができなくなっているというのは事実だ。
R25が伸び悩んでいるように見える理由も「あの程度の情報ではタダでも読まない」のかもしれない。汐留も頑張ってナショナルクライアントを引っ張ってきているけど、回を追うごとに反響は少なくなってきているように見える。
なぜか佐々木氏の記事では日本のwebで商業ベースの成功を収めてつつあるGIZMODEには触れていない。知らないのかもしれない。また、GIGAZINEの不採算の件では「広告費が安すぎ、GIGAZINEはまだ赤字のまま」というような内容になっているが、この場合は広告費が安いのはネット系の広告代理店に媒体資料流している数字を見れば理由は分かると思う。
それと並んで、いまのネット向け広告費が安くなっている理由として、一山いくらのインプレッション単価はMixiとモバゲーのダンピングのお陰でクソ安くなりすぎているというのと、SeesaaやFC2などのスパム系PVが多すぎて質が下がりきっているというのはあるのではないだろうか。(次ページへ続く)
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