この提携は、シャープの最先端液晶ディスプレイ技術力とソニーのテレビ事業における市場競争力を強化することを目的としたもの。シャープは、大阪府堺市に「21世紀のコンビナート」として、薄膜技術を採用した最先端の液晶パネル工場と太陽電池工場を併設、さらにインフラ施設や部材・装置メーカーの工場を誘致し、一大産業地とするプランを発表している。
この工場では、大型の第10世代のマザーガラスを生産する。マザーガラスは液晶テレビやノートパソコンなどのディスプレイに使われる非常に薄い板ガラス。ディスプレイの巨大化やコストダウンなどの目的によって、世代を重ねるごとにそのサイズが大きくなっていくのが特徴。三重県にあるシャープの亀山第1工場が世界ではじめて採用した第6世代マザーガラスは、1.5×1.8メートル、第2工場の第8世代では、2.16×2.46メートルに。しかし薄さ0.7ミリメートルしかなく、表面の平滑度が通常のガラスの2000倍あるというマザーガラスのサイズアップと効率的な製造は技術的にも難しい。
堺市の新工場で生産される第10世代マザーガラスは2.85×3.05メートルという最大サイズ。新工場の生産能力は稼動当初は36,000枚/月だが、最終的には72,000枚/月にひきあげる予定(マザーガラス投入ベース) 。2009年4月に分社化して新会社となるこの新工場は、出資比率に応じてシャープおよびソニーへ製品を供給する。
大阪府堺市に設立される新会社の名称は未定。資本金は未定だが、出資比率はシャープ66%、ソニー34%、投資額についても同様。両社は今後、液晶パネル・モジュール用部材の共同開発についても検討しているという。
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