今回の大統領選では、SNS活用がカギに?
2006年11月、米最大手SNSの「マイスペース」が日本デビューした時には、世界中の1億人の会員が生み出す豊富な音楽や映像を武器に、日本のミクシィと顧客争奪を繰り広げることになると鳴り物入りだったが、1年以上経ってみるとどうもマイスペースは日本のSNSの敵ではなかったようだ。
一方、既に日本語版マイスペースがある時に「フェイスブック(Facebook)」は英語版のみ。元々はアメリカの学生向けに作られたソーシャルネットワーキングで、2006年以降は一般にも開放されている。
アメリカでは前回の大統領選でブロガーが活躍したが、今回はこのフェイスブックやマイスペース、そしてユーチューブなどの動画サイトが大活躍するだろうとCNNが伝えている。既に共和党候補者のジョン・マケイン氏がビーチボーイズの「バーバラ・アン」を文字って「ボムボムボムボムボム・イラン(イランを爆撃せよ)」と歌う姿がユーチューブにアップされ、その後謝罪するという「事件」が発生している。ヒラリーやオバマ候補の動画もたくさんアップされている。
SNS上では、オバマ氏が一歩リード?
バラク・オバマ氏は早くからSNSを利用してきたといい、彼のマイスペースの「フレンド」は2月27日現在で30万人以上いる。マイスペースの新年のアンケートではクリントン氏が民主党支持者の31%の票を得たのに対し、オバマ氏は46%でトップに。オバマ氏のマイスペースに質問のメッセージを送るとほどなく返事るなど、フットワークの軽さが若年層にはたまらない魅力だろう。一方でヒラリー・クリントン氏のマイスペースは複数あるが、フレンド数が最大で18万6千人強。マイスペースではオバマ氏が断然優勢である。
また、フェイスブックのオバマ氏のサポーターは58万人以上もいる。若年層の啓蒙や、有権者登録をさせるためのツールとしてこのフェイスブックが活躍利用されているといい、「Rock the Vote's Facebook group(ロック・ザ・ヴォート・フェイスブック・グループ)」という組織はフェイスブック内で音楽やポップカルチャーを駆使して若者を政治に取り込もうと活動している。
何しろ、今年は18歳から31歳の若年層5000万人に選挙資格があり、彼らの26%が1日1回はソーシャルネットワーキングを利用するというのだからかなり影響力があると思われ、既に2万5千人以上が加入したという。Rock the Voteは予備選、党集会、集会や選挙についてのニュースを提供するためのイベントを各種企画し、活字離れの顕著な若者にも評判は上々だそうだ。
ちなみにRock the VoteはRock the Boat(波風を立てる)のもじりである。
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