ニールセンは、スマートフォン視聴率情報「Nielsen Mobile NetView」の7月データをもとに、アプリの利用状況を分析した。その結果、スマートフォンの利用時間全体のうち、アプリからの利用とWEBブラウザからの利用の内訳をみると、アプリからの利用時間はWEBブラウザの約2.5倍で、全体の72%を占めていることがわかった。
また、ひと月に利用する回数でアプリを分けたところ月に1回以上利用するアプリの数は、一人当たり27個で、月に10回以上使用するアプリの数は9個だと分かった。
利用回数ごとに利用されているアプリのカテゴリを見ると月に1回以上利用するアプリではゲームや動画を含む「エンターテイメント」が全体の27%を占め、平均して7個のアプリが利用されている。一方、月に10回以上利用するアプリの場合、「エンターテイメント」アプリは1.6個に減少し、「サーチ、ポータルとSNS」やメールやチャットなどの「コミュニケーション」アプリの割合が高くなっている。
アプリの利用状況を年代別に見ると、利用アプリ数は各年代で大きな差はなかった。一方で、利用時間については若年層ほど長時間利用していることが判明した。。長時間利用されているアプリのカテゴリを見ると、34歳以下でも35歳以上でもTOP3のカテゴリは「サーチ、ポータルとSNS」「エンターテイメント」「コミュニケーション」で、この3つで利用時間全体の70%以上を占めている。年代で比較すると、34歳以下では「サーチ、ポータルとSNS」の利用時間が最も長く、35歳以上と比べて20分以上も長くなっている。
同社アナリストの高木史朗氏はこの結果を受け、「アメリカでの調査結果でもアプリの利用個数は日本と同等で、過去の推移を見ても増加していません。今後日本でも、利用されるアプリの個数は27個前後を推移すると予想されます。そのため、新たなアプリをリリースする場合、既存アプリを押しのけるられるものを作る必要があります。また、アプリ利用頻度が高いアプリは、企業が生活者とコミュニケーションをとっていく上で、重要なコンタクトポイントとなります。性別や年代により利用されるアプリも大きく異なるため、マーケティング担当者は各アプリの利用者属性を把握し、生活者とコミュニケーションするアプリを計画的に選定していくことが重要といえるでしょう」と述べている。
【Nielsen Mobile NetView】
日本全国の4,000名(iOS、Android各2000名)の調査協力モニターから取得する実際のアクセスログ情報を元に作成した、スマートフォン視聴率データ
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