動画広告プラットフォームを提供するVideologyは、Acxiom傘下のデータ・オンボーディングサービスを提供するLiveRampとの統合を発表した。LiveRampはブランドの顧客データベースをあらゆるマーケティングアプリケーションに接続することを可能にする。今回の統合によって、テレビ、オンラインビデオ、モバイルビデオを含む、クロススクリーンのプランニングとバイイングの能力が拡張される。
オンボーディング(onboarding)とは、企業が保有するオフラインの顧客情報をデジタル化し、オンラインで接続可能な状態にすること。ユーザーデータセットを分析してセグメント化、匿名化し、ブラウザやデバイスと関連付ける。顧客のセグメントはアドネットワークやDMPに対して提供され、リターゲティングやオンラインキャンペーンのオフラインでの反応を測定することが可能になる。
米国ではテレビは依然として支配的なメディアであり、米国人のメディア消費時間の41%を占めている。しかしこの割合は2011年からわずかに減少しており、反対にモバイルのシェアは4%から21%に増加している。さらにForrester Consultingの調査によると、広告主とエージェンシーの70%が、今後3年以内にテレビとビデオは包括的にプランニングされだろうと考えている。
2014年前半から、VideologyはNielsenおよびその他のセットトップボックスデータとの直接的な統合を行ってきた。これによって、広告主は包括的なマルチスクリーンキャンペーンのプラン、実行、計測を可能になる。今回新たにLiveRampと統合することで、その能力をモバイルにまで拡張し、消費者が動画を見ているあらゆる場所でリーチすることが可能になる。
VideologyはLiveRampのクロススクリーン・プライバシーに配慮したマッチングテクノロジーを活用する。LiveRampはひとつの世帯における、匿名化したモバイル端末のIDとクッキーをマッチングするが、そのプロセスでは、消費者がプライバシーに関して選択できるようオプトアウトのオプションを提供。プライバシーに配慮したターゲティングと計測が可能になる。
またVideologyは10月に、Global TV Practiceという専門の部署を立ち上げた。これは広告主とメディア企業がクロススクリーンのオーディエンスエンゲージメントから収益を上げることを支援するもの。同社の現在の収益の50%以上はテレビのバイイングから来ている。Videologyは、テレビからモバイルまで、その対応能力を確実に高めつつある。
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