SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineニュース

NTT・慶大ら、脳波分析で家電操作を実現する「ネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェース」開発

 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、日本電信電話(NTT)、島津製作所、積水ハウス、慶應義塾大学は、「ネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」(※)の研究開発を行ない、その適用範囲を一般的な生活環境に拡張。日常的に使用できる脳活動計測装置や環境に設置したセンサを通じて計測したデータをネットワークを通じて分析装置へ伝送してデータを解析することで、利用者の日常的な動作やコミュニケーションの支援を可能とするBMI(ネットワーク型BMI)を実現。脳活動に基づくことで、利用者が独力で移動支援機器や家電機器などの操作を可能とし、また、感情・情動の状態を介助者などへ伝達することができる。

 具体的には、脳波計測(electroencephalography;EEG)と近赤外分光脳計測(near-infrared spectroscopy;NIRS)を組み合わせ、一般の人でも自宅などで利用可能な小型・軽量の携帯型脳活動計測装置の開発に成功。計測された脳活動を、ネットワークを介してクラウド上あるいは環境内に置かれた脳活動データベースと照合する脳情報解析技術により、利用者の動作意図・情動状態(不快感など)を読み出す。

 利用者が、家電を操作するなど、生活の中で自然に体を動かす際に生じる脳活動をNIRSで捉え、その操作を支援。また、利用者が不快に感じる際などの状態をEEGで検知し、それを介助者などへ伝えることができる。車いすなどの移動支援機器が室内を安全に移動するための移動支援機器の安全制御技術、BMI利用者の位置情報などを用いることでプライバシーやTPOに配慮したBMI支援を可能とするネットワークエージェント基盤技術、それらの動作検証・評価を行うため、脳情報を活用した日常生活を再現可能な環境である実環境実験設備(BMIハウス)の構築にも成功した。

 これらの技術により、高齢者や体の不自由な人だけでなく、一般の人が日常的に生活する場その意図や情動を脳から読み取り、プライバシーなどに配慮しながら活かすことで充実した生活につなげる新しいインタフェースにすることができるとしている。今後は介護・介助だけでなく、「脳を見まもる」ことで人々のコミュニケーションを豊かにし、個人として充実した生活を継続する環境づくりのために、各種サービスの実用化を目指す。

※ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)
ロボットなどの機器を制御するために、従来のインタフェースでは利用者はスイッチなどを手足などで直接操作することで意図を伝えるのに対し、BMIでは利用者の脳活動に基づき推定された意図を用いる。手足などによる直接操作を不要としていることが特徴。外科手術で脳内に電極を埋め込む侵襲型のBMI(欧米で研究が盛ん)と、頭皮にセンサを接触させるだけの非侵襲型のBMIがある。ブレイン・コンピュータ・インタフェース(brain-computer interface)とも呼ばれる。

【関連記事】
大和ハウス工業とTOTO、トイレからパソコンに健康データを配信する「インテリジェンストイレII」
「ドワンゴ人工知能研究所」発足、「全脳アーキテクチャ」を軸にディープラーニング技術などを研究
脳波測定とアイトラッキングで、売り場の問題点を発見する「売り場ドック」
博報堂、脳科学で生活者の無意識を解明するコンサルティング・パッケージを提供
富士通、牛の繁殖効率化を実現する食・農クラウド「牛歩SaaS」を海外向けに販売

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZineニュース連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/12/05 19:42 https://markezine.jp/article/detail/21546

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ


イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング